小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

人生を変える薬
2008年03月19日 更新

アトピー性皮膚炎でお悩みの患者さんも多いと思います。最近、当院では新患の患者さんが多いのですが、ぜんそくの他に、アトピー性皮膚炎もかなりの割合になります。私は小児アレルギーの専門医なので、小児を診るようにはしていますが、ご希望があり一部成人の患者さんにも対応させて頂いております。

アトピー性皮膚炎のガイドラインによると、治療は3本柱となっていて「原因・悪化因子の除去」、「スキンケア」、「薬物療法」となっています。「原因・悪化因子の除去」と「スキンケア」をやっても、イマイチなら「薬物療法」を行うと記載されています。

薬物療法とは、“ステロイド外用薬”という炎症を抑える効果のある薬を使用することにより、皮膚炎を軽快させるのが主流だと思います。いわゆるステロイドは一時話題になりましたが、今はお薦めの治療法として、中心的な位置を占めています。しかし、ステロイドを塗って止めると、じきに皮膚の症状とかゆみがぶり返すことを経験された方もいらっしゃると思います。

これはよく知られていることですが、ステロイドは顔などの皮膚の薄い部分に比較的長期連用すると副作用が出やすいと言われています。中には中学生、高校生、成人になってもアトピーが軽快せずに、顔など目の触れやすい部分の皮膚炎で悩んでいらっしゃる方もいらっしゃいます。あまり塗りたくないからと、ステロイドを止めるとまた悪化し、またやむを得ずステロイドを塗って…と際限がなくなってしまいます。

ここで注目される薬が「免疫抑制外用薬」の「プロトピック軟膏」です。ステロイドでコントロールできなかった皮膚症状が、プロトピックで上手く抑えられるケースも少なくないようです。お子さんがかゆみで全身を掻きむしり、不機嫌、寝不足となり、親御さんもそんな毎日に疲弊してしまっていても、場合によってはプロトピックが、このような生活環境を良い方向へ激変させてしまうと言われています。海外では「Life changing drug(人生と変える薬)」と呼ばれているゆえんです。

プロトピックの“メリット”は、強力な炎症を抑える効果のあること、改善した皮膚からは吸収されにくいことなどが挙げられます。一方“デメリット”は、免疫抑制剤につきものの“発ガン性”の可能性が言われていること、火照りやヒリヒリ感がみられることなどでしょうか。心配される発ガン性については、過去の臨床データからも「問題にしなくていい」レベルと判断されています。

一般的には「ステロイドで炎症を抑えて、プロトピックで維持する」のがいいと言われています。私もその通りに使っていますが、皮膚が驚く程安定します。当院でも結構使用していますが、患者さんには好評です。有り難いことに、市外から40キロの道のりを通院して下さっている方もいらっしゃいますが、見た目もかゆみも改善し、使用を決断してよかったと喜んで下さっています。

お断りしておきますが、この薬の適応は2歳以上です。当院では、重症アトピーの赤ちゃんの受診も後を絶ちませんが、基本に忠実にステロイドとスキンケアで対応しています。一方、成人も含め、小学生以上で特に皮膚の薄い部分に皮膚炎がある場合は、たいていの患者さんにプロトピックをお薦めしています。特に小児科ではあまり使われていないようです。使いこなすにはいくつかの注意点がありますが、使い慣れるとアトピー性皮膚炎の治療の幅が格段に広がります。いわゆる小児で、アトピー性皮膚炎でお困りの方は、ご相談下さい。