最近、新患さんが多いと思ったら、子供たちは“春休み”に入ったからなのですね。今日も1割以上が初診の患者さんでした。思えば、小学生が多かったようです。福岡にいる時も、夏休みなど休みに入ると患者さんが増えたものでした。一般小児科は、感染症が主体のため病気の流行で、患者数が変動します。当院はアレルギーの患者さんが多いため、さほど影響を受けないのかもしれません。
そもそも当院の場合、「今日は○○○人受診があった」とかいうのはあまり興味がありません。数が多いのは人気の象徴かもしれませんし、経営状態がいいことを表しているのだと思います。私の場合は、アレルギーの患者さんの力になりたいと思って開院しましたし、対応の難しい重症な患者さんにこそ専門医の腕の見せ所であり、小児科医なら誰にでもできることではないと思っています。困っている患者さんに、いかに適切な医療ができるかの方に力を入れているつもりです。一般的には、アレルギーで困っている患者さん1人に30分説明するよりも、風邪の患者を10人診た方が経営的には有利です。説明に時間をかけた方がいいのでしょうが、1時間に2人のペースでは医院が潰れてしまいます。当院は、知名度の上昇ととも信頼して通院して下さる患者さんも確実に増えておりますので、こだわって医療をしても、潰れることなくやっていけそうだと思っています。
先日、健診でのこと。「卵アレルギー」と診断された赤ちゃんのお母さんと話していた時に「卵製品と鶏肉を除去するよう指導されました」と前医で言われたそうです。これは正しいでしょうか?。
実は、「卵」の“親”である「鶏」の肉は、同じたんぱく質かというとほとんど関係ないと思います。つまり「卵アレルギー」があるから「鶏肉アレルギー」があるとは限らないのです。鶏肉のアレルギーの数値が高ければ、卵白の数値も高いという訳でもありませんし、実際に鶏肉で反応の出ている患者さんに、鶏肉の負荷試験をしてみてもアレルギー症状を起こす確率は相当低いのです。結論として「卵アレルギーがあるから、鶏肉も除去するようにという指導は古い」と言わざるを得ないと思います。同じように「ミルクアレルギーがあるから牛肉を控えるように」と指導されているケースも実際にあるようですが、それも正しくないケースが多いと考えています。
私が、柏崎にいる時に診ていた重症食物アレルギーの赤ちゃんがいました。卵やミルク、小麦などが何項目も陽性だったので、近くの医療機関で離乳食の進め方を相談したら「お母さんが考えながら進めて下さい」と言われたそうです。結局、現在は上越まで来て下さっていますが、いろいろな項目が陽性の患者さんは、適切な指導を受けることは難しいようです。
ちなみにこの患者さんは、当院での20分ほどの診療時間の中で、いくつも食べられる食品が増えました。例えば、小麦の値が高くても一般的には調味料は摂れることが多く、制限する必要はあまりないのです。またアナフィラキシーといって、強いアレルギー症状を起こしやすい食品とそうでないものがあるので、ツボを押さえれば、食材は広がるのです。先に述べた卵アレルギーの子に対する鶏肉の件もそうです。
少し前、新潟市から来られた患者さんもミルクアレルギーがあるからと、美味しくない高価なアレルギー用ミルク(アミノ酸乳)を使っていましたが、もう少し安くて美味しいアレルギー用ミルクも使えると思います。これも食物アレルギーに関するやや専門的な知識があれば、必要のない除去はすぐに解除できてしまう可能性が高いのです。
食物アレルギーの的確なアドバイスは得られそうで、なかなか得られないものと思います。食物アレルギーの解除が進まずにお困りの患者さんは、是非ご相談して下さい。


