小児科 すこやかアレルギークリニック

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妥協はしません
2008年03月30日 更新

連日、春休みのためか新患の患者さんが多く、週末ということもあって、先日の土曜日は最終の患者さんはなんと2時間待ち。ご迷惑をお掛けして申し訳なく思っています。

生後1~3か月の赤ちゃんから、小学校高学年のなかなかよくならないアレルギーの患者さんが受診されます。初診時は、とにかく問診や診察、説明に時間がかかってしまいます。最後の患者さんに精一杯説明した後に「待つだけの価値があった」と言って頂けて、ちょっと救われた気になりました。でもお言葉に甘えてばかりもいられません。今後は何とかしないといけません。

何だかんだで診療が終わったのは14時半でした。家に帰ってひと休みと思いきや、もう一人予約の患者さんがいました。それは「気道過敏性試験」の患者さんです。

以前もこの検査に触れたと思いますが、もう一度簡単にご説明しましょう。ぜんそくのある人と、ない人の差は気管支が過敏か、過敏でないかです。これを「気道過敏性」といいます。こういった性質を持っていると、ちょっとした刺激で咳やゼーゼーが出てしまうのです。発作を繰り返せば「気道過敏性」はどんどんエスカレートしてしまいます。先日、発作を起こしたのを通院して点滴治療を繰り返すのはよくないと申し上げました。それは、発作を起こした時点で「気道過敏性」は増悪するからです。ですから、発作を起こさないようにしなければなりません。そうすることで、「気道過敏性」は低下していくのです。

一般的には、2年くらい発作のない安定した状態を作りたいと言われています。その間に「気道過敏性」が弱まっていくことが多いのです。親御さんであれば、何年もぜんそくの治療をしてくれば、早く薬を止めたいけれど、ずっと続けてきた薬を止めるのも不安…といった心境ではないかと思うのです。ここで「気道過敏性」を測ることができればいいと思われませんか?。

ピンポンです!。「気道過敏性」は測定できるのです。発作を起こしやすくする薬を薄い濃度から吸入して徐々に濃くしていき、ある決まった濃さの濃度でも発作を起こさなければ、気管支の過敏さは改善していると判断するという方法が存在し、結果を数字で評価できるのです。この手段を使えば、症状の落ち着いたぜんそくの患者さんが治療を止めていいかどうかの判断に使えるのです。

土曜の15時から「気道過敏性試験」の予約が入っていました。前の勤務先でも何十人も検査してきましたが、この日も春休みを利用して、小学高学年の患者さんに検査を行うつもりでした。一般診療が終わってヘトヘトでしたが、そんなことは言っていられません。早速、検査の準備を行います。準備から検査終了まで軽く1時間半はかかってしまいます。あっさり書いてしまいますが、結果は合格!。晴れて、ぜんそくの治療は終了することとなりました。お母さんも嬉しそうでしたが、私も何年も付き合ってきた患者さんです。感慨深いものがありました。ちなみに、ぜんそくは治療を止めてみて、まる5年経って初めて「治癒」と言えますので、しばらくは経過観察が必要ではあります。

この検査は、医院では全国的にもほとんど行われていません。頻度で言うと小児科数百件に1件というくらいの割合でしょう。手間もかかるし、診療時間内にはなかなかできません。でもアレルギー専門医の名にかけて、中途半端なことはできないし、私を信用して何年も通院して下さった患者さんや親御さんには「誠意」でお返ししなくてはならないと思っています。福岡の研修先の病院で、学んできた技術ですから、持てる技術はつぎ込まなくてはなりません。どんなに忙しくても、医院の休みの時間帯に患者さんに来て頂いて、EBMに沿った医療をご提供したいと考えています。

私の身体がひとつしかありませんので、この検査に関しては私が長年経過を追って、そろそろ治療を中止してもいいのではないかと考えた患者さんしか対応していません。今のところ、この検査の結果に基づき薬を中止した患者さんのほとんどは落ち着いているようです。実は来週も、再来週も柏崎の病院時代に長岡や上越から通って下さった患者さんの予約が入っています。ずっと治療して経過をみていますので、長年の経験から治療を中止できると予想しています。来週も、再来週もお母さんの喜ぶ顔が見たいし、それが私のエネルギーになる、そう思っています。