アトピ-性皮膚炎の治療には「ステロイド(軟膏)」が使われます。いまだに否定的な患者さんもいらっしゃいますが、以前と比べるとだいぶ少なくなってきたと思います。
アトピー性皮膚炎に対するステロイド使用の是非が社会問題化したのが、1990年代でした。その混乱を何とかしようと、日本皮膚科学会が「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」を完成させたのが2000年のことでした。それが契機となり、騒動が沈静化してきたと言われています。それからもう8年の月日が経っていますので、特に若い世代のお母さん方はステロイドが問題視されたこと自体、ご存知でない方もいらっしゃいます。
しかし、その一方で数は少ないものの、未だに拒否的な態度を取られる親御さんもいらっしゃいます。「ガイドライン」によるお勧めの治療は、炎症のある部分にステロイド軟膏を使用することです。アレルギーの専門医は、軽症のアトピー患者さんだけ診ていればいい訳ではありません。乳児のアトピーは軽快する割合が意外と多いのですが、幼児から学童にかけて重症化する患者さんもいらっしゃいます。となるとそう易々とは皮膚を安定させることはできないケースもあるかもしれません。
確かに、ステロイドを“長年”塗り続けると副作用が出る場合もあるでしょう。しかし、「必要な箇所に必要な強さのステロイドを、必要な期間塗る」のが“適切な治療”だと理解しています。そのためにはステロイドの使い方や、塗り方、どういう副作用が起き得るのか、その時の対処を理解しておかなければなりません。最重症の患者さんまで対応しなければならない専門医だからこそ、よく勉強していなければならない部分だと思っています。
当院は、乳児から思秋期までアトピーの患者さんが多く受診されますが、今日は、午前中にステロイドの副作用について2件質問がありました。ともにステロイドに対する不安から出たものでしたが、長く時間を取ってキチンとお答えしたつもりです。お一人は前医で質問できる雰囲気ではなかったとおっしゃっていました。大切なお子さんの皮膚に使う薬です。だからこそ、親御さんには勇気を出して聞いて欲しいと思うし、答えてくれないようならちょっとどうかと思ってしまいます。
私もアレルギーに関して学ばなければならないことも少なくありませんが、過去の経験からステロイドを適正に使うことで症状を軽快させることはさほど困難なことではないと思っています。以前も書きましたが、1か月の治療でよくならないようなら専門医へ紹介することが勧められています。アトピーでお困りのお子さんはご相談下さい。
PS:今日はエイプリルフールですが、特に間違ったことは書いていないつもりです、念のため(笑)。


