当院を受診される患者さんの中で、アトピー性皮膚炎の割合は県内の小児科でもトップクラスではないかと思います。
最近は、生後2~6ヶ月くらいの赤ちゃんが多く初診されますが、そのまま通院して下さるケースが多いのです。そういう患者さんが確実に増えているため、正確な数字は分かりませんが、2~3割くらいに上るかもしれません。
研修先で、ステロイドの使い方を学び、こちらに戻ってからもいろいろな医学書を読みあさり、参考にさせて頂いております。大胆に、そしてある時は繊細に使えなくてはなりません。「ステロイド」は怖い薬だという先入観があると、たとえ小児科医であっても、使い方に迷いが生じてしまいます。他の薬との併用についても、頭を使いながら治療していかないと、よくなるものもよくならないと思っています。
2月頃だったでしょうか、某科で通院してもよくならなかった小学生の子が、私のもとに来られました。とても重症のアトピー性皮膚炎の患者さんでした。悪いことに細菌感染も合併しており、なかなかよくならなかったようです。いつも通り(?)1時間くらいアトピー性皮膚炎について説明をしました。治療法は、ステロイドもやや強いものを使い、1週間であらかたやっつけようという戦略を立てました。ツボにはまり、あっという間に改善しました。作戦通りでした。
顔についても、ステロイドを続けなければならない印象があったので、以前もトピックスで触れたと思いますが、「プロトピック」を使おうと思いました。ご両親も当初はプロトピックの副作用を心配されていましたが、治療1週間で皮膚症状が大幅に改善したのを目の当たりにして、私を更に信用して下さり、使用のゴーサインがでました。
長年、アトピーが悪いと正しい治療をしていても、そう簡単には安定はしません。高学年になってくると、面倒臭さが先に出て、薬をさぼってしまうこともあります。一見皮膚は改善していてもかゆみは残るため、特に寝ている間に掻き壊してしまうこともあります。そうやって改善と悪化を繰り返してしまいますが、きちんと治療していれば、皮膚の悪い部分は確実に減っていきます。通院の度に、さぼりたい気持ちを戒めて、治療を続けるよう本人にも指導を繰り返していました。
先日、受診されましたが、3ヶ月前に比べると、体中のどこを見てもアトピーとは分からないくらいの改善ぶりでした。ほとんどステロイドは必要とせず、プロトピックもまもなく中止できそうです。改めて初診時のカルテを見てみると、雲泥の差と言っていいくらいの変化です。かなり安定した状態になると、時には部分的に悪化することもあるでしょうが、経験上大崩れはしないだろうと考えています。
きちんと通院して治療すれば、うまくいくケースもあるのです。当院は、赤ちゃんだけでなく小学生から大人も受診されますが、もっと短期間に安定できたこともありました。
アトピー性皮膚炎の治療を諦めないで欲しい、そう思っています。


