当院には、連日新患の患者さんが受診されています。昨日も、ぜんそくの症状を繰り返している小学生の患者さんが来られました。
知り合いのお母さんが、当院を勧めて下さったそうです。これまでの状況を伺うと、ある小児科にかかっていたそうですが、発作を起こせば点滴に通う治療が中心で、このままでいいのか?と疑問に感じていたそうです。
過去に何回もトピックスに書いている通り、ぜんそくは発作を繰り返すことにより、どんどん発作を起こしやすくなってきます。本来なら成長とともに発作は減ってくるはずですが、減ってはいないということでした。子供は年々背も伸び、体力もつき、気管支も太くなっているはずですから、発作は遠のくはずなのに、発作の回数が減らないのはおかしいのです。治らない可能性があると心配しなければならないのです。
これまでは継続的な治療はしていなかったそうなので、年齢と発作状況から考えて吸入ステロイドを使うようにお勧めしました。驚いたことに、薬を見せると「それならやったことがある」とおっしゃるのです。前医から「予防に吸入するように」と処方したことがあるそうですが、長続きしなかったそうです。
ハッキリ言って、患者さんは素人です。ちょっと調子が良くなると“予防”の重要性なんてうっかり忘れてしまうこともあると思います。継続して治療しないとどうなるかという説明が足りていなかったのではないかと思います。情熱を持って、説明すれば患者さんや親御さんに「思い」は伝わると思っています。
何度も点滴に通院したようですが、点滴をしなければならないくらいの重い発作を起こしてしまったということですよね。一般的には、小学生くらいになるとかなり発作は起こしにくくなるものです。にもかかわらず重い発作を起こすようでは、今の治療で足りているのか、正しい対応ができているのかどうかを見直さなければなりません。
アレルギー専門医なら、よく行っている「呼吸機能検査」もやってみましたが、決していい結果とは言えませんでした。私は思春期前の小学生のぜんそくを治療するには呼吸機能検査は不可欠だと思っています。
以上のことを時間をかけて説明した結果、私の気持ちが通じ、当院で治療をし直すことになりました。ぜんそくは思春期前になると、発作を起こさないことを目標にすべきです。目標は高く持ち、運動誘発ぜんそくにも注意しながら、お子さんに制限を加えないよう様々なことに配慮しながら治療を続けるべきだと思っています。
小学校に入っても点滴に通っているような患者さんは、アレルギー専門医に一度相談した方がいいと思っています。小児ぜんそくは、小児期で卒業できるよう全力をあげないといけませんし、決して甘くみない方がいいと思います。当院では、薬の飲めない幼児以外は発作で点滴したことは一度もありません。納得のいくまで説明しますので、ぜひ受診して下さい。


