小児科 すこやかアレルギークリニック

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最短距離で
2008年05月12日 更新

咳が続いて止まらない高校生が、ある医療機関で治療を受けましたが、改善しなかったために当院を受診されました。

これまでの状況を聞いても、ぜんそくらしい症状は特になかったようです。つまり、ゼーゼーいったこともなく、呼吸困難があった訳でもないので、喘息と診断するには難しい状況でした。みられるのは「咳が続いていること」のみ。

診察時は咳込みもなく、聴診してもぜんそくらしい音も聞こえず、診察上は特に異常所見もなし。私も問診上で、ぜんそくを少し疑っていたものの、間違いなくぜんそくかと言われると、そこまでは自信が持てない状況でした。しかし、ここはプロのテクニックを駆使して、診断に至りました。

まず呼吸機能検査をやってみました。これは気管支の太い部分、中くらいの部分、細い部分の点数を見ることができるのですが、太い部分は100点だったものの、中くらいの部分と細い部分が70点くらいでした。これだけでは“ぜんそくかもしれない”程度です。

私はここで“吸入”をして頂きました。ぜんそく発作を鎮める時に使う吸入です。それにより“ぜんそくであること”が判明しました。もう一回呼吸機能検査をしてみると、中くらいと細い部分が100点になっていたのです。もしぜんそくがなければ、ぜんそくの治療である吸入をしても変化はないはずですから。

これは「プロ」がよく使うテクニックです。ぜんそくの診断は症状や診察所見をつけることが多く、このテクニックによって診断をすることは少ないのですが、技術は沢山持っているに越したことはないと思います。この患者さんにぜんそくの治療薬を処方致しました。私の経験からすると数日で症状は改善すると思われます。こうやって的確に診断して、キチンと治療すれば患者さんは早く病気の苦痛から解放されるのです。

先日受診された別のお子さんは、咳が続いたため、近医にかかっていたそうです。最初は風邪薬を出され、2週間くらいしても改善しなかったために、アレルギー検査をして、ダニやホコリが陽性だったのでぜんそくを疑われ、3週間目にしてその治療を始められていました。アレルギー専門医でなかったので仕方ないとはいえ、親御さんも症状が改善しなかったので、だいぶ不安だったようです。専門医なら、アレルギー検査はしなくても、特徴的な症状が出ていたので、問診だけで見抜けたと思います。

季節の変わり目で、咳の長引く患者さんをよく診ます。そういう患者さんのすべてがぜんそくという訳ではありませんが、マイコプラズマや他の感染症なども考えながら、最短距離で診断し、治療を開始するべきです。咳の長引いているお子さんは、ぜひご相談ください。