今日こそは、学会の時の話をさせて頂きます。
学会の演題の中で、食物アレルギーの患者さんに対し、食物負荷を自宅で行うように医師から指示されたケースが話題になった時のことです。一般の方だと負荷の量や間隔など負荷の方法が分からないため、いきなり許容量を超えて与えてしまうとショックに陥ってしまうこともあります。
これを聞いた食物アレルギーの専門医が、「卵と乳と小麦を医師の目の前で負荷試験しないのは、職務怠慢だ」とコメントしていました。ちょっと過激な言い方かもしれませんが、でも本来成長に必要な食材をいつまでも食べられないのは気の毒なことだし、本人やご家族への負担は相当なものです。また、「ショックを起こす可能性もあるから除去するように」と指導されていたにもかかわらず、「そろそろ少しずつお母さんの思うように与えてみて」というのはおかしいと思います。主治医がキチンと安全な方法を指導すべきだし、自信がないのなら負荷試験のできる専門医に紹介するのが筋だと考えています。
食物負荷試験は、全国的にほとんど普及していないし、非専門の先生はそんなやり方があることを患者さんに教えてはくれません。アレルギー検査が陰性になるまで“除去”を指導するでしょう。一方、専門医は「負荷試験をやって確認しましょう」と負荷を勧めるでしょう。となると医師の間で言っていることが180°違っていることになります。2件の小児科に行って、逆のことを言われたら、患者さんは大いに混乱してしまうと思うのです。
その話題が議論されている時に、会場に来られていた患者さんのお母さんが、迷っている患者さんには「血液検査で判断するのは“古い”方法です。そうでなく、少しずつ食べさせて確認する方法が“正しい”のです。」とハッキリと言って欲しいと発言されていました。
他の医師のやり方をどうこう言うよりは、自分が困っている患者さんのために適切な医療を実践すればいいだけなのですが、患者さんに自分の言うことを納得して頂くためには、違いを分かるように説明する方が患者さんには理解しやすいようです。患者さんはそう考えているんだと、とても参考になるご意見だったと思います。
こういった発言をもとに、患者さんに納得して頂くためにはどう説明すべきかを考えながら、明日からの診療を役立てていきたいと思っています。


