「乳糖不耐症」という病気があります。
赤ちゃんが、おなかの風邪などを契機にミルクの中の乳糖をうまく分解できなくなる病気です。つまり、これまで何ともなく飲めていたミルクを飲む度に下痢を繰り返してしまうのです。
赤ちゃんが胃腸炎などで下痢をしてしまうことはよくあることです。たいてい、小児科にかかると「おなかの風邪ですね。整腸剤を出しておきましょう。」と言われることが多いと思います。赤ちゃんが下痢で他の医療機関にかかっていて、なかなか良くならないと当院に来られるようになりました。同じ「下痢」でも、すぐ治ってしまうものと、なかなか治らないものがあるのです。
話をよく聞くと、ミルクを飲んでいて、飲む度にピーっと下痢をしています。しかも長引いているので、おなかの風邪ではないなと考えました。冷静に考えて、乳糖不耐症の可能性が高いと判断したので、医院にあった試供品の乳糖不耐症の治療用ミルクを渡して、数日後に受診して頂きました。
次回受診時、「翌日には便が固まってきました。ありがとうございました。」と嬉しそうにお母さんから言われました。私が病院勤務の時は、あまり乳糖不耐症の子は診なかったのですが、開業医だと受診しやすいのでしょう。うまくいってくれるかちょっと心配もあったのですが、理論通りに治療して、すぐに良くなったのでホッとしました。そして、お母さんの期待に応えられてよかったと思いました。乳糖不耐症は一時的なことが多いので、しばらく経過をみて、元に戻ってくれるのを待つことになります。
最近は、症状の改善が思わしくないと、心配して当院に来られる患者さんが増えてきました。小児科の医院が増えて、患者さんも選択肢が増えてよかったと思います。
当院はアレルギーでなくても、丁寧に対応しているつもりです。私たちの診ているのは人間です。みなそれぞれ病気は違うけれど、困って、お子さんが良くなるのを願って受診されるのです。患者さんが多くても、流れ作業のような対応はしたくない。ともに喜び合えるような医療をやっていかなければならない、そう思っています。


