昨日の夜、NHKのニュースを見ていたら、「子供の医療が変わる」というような内容の話題を取り上げていました。
その中で、39歳の女性が取材されていました。その方は12~13歳頃に白血病を発症されたそうです。治療については当然親御さんには説明があったはずですが、本人には大して説明もなく点滴などの痛い処置が繰り返されたために、それがトラウマになったそうです。一時は美容院で、体に触られるのも怖かったと語っていました。
東京のある大学病院では、こどもの心に配慮した新たな試みとして、小さなお子さんにパソコンの画面を使って入院してから退院までのシュミレーションを示して、本人に同意を取るようということをはじめたそうです。実際に、近々目の手術を受ける予定の4歳の女の子に説明している様子が流れていました。
私も採血されるのは苦手です。いつもドキドキして、手に大汗をかいてしまいます(涙)。小さなお子さんなら複数の大人から押さえられて、採血や点滴をするのは、さぞかし怖いだろうと思います。
先日も、初診で受診された小さな子が、診察室に入るやいなや大声で泣き出しました。話を聞くと、マイコプラズマと診断され点滴を繰り返されたそうです。おもちゃであやしても、全く効果がなく、お母さんの声もよく聞こえず、どうしたものかと困ってしまいました。こういう時は本当にお手上げです。
我々小児科医も、この動きには見習わないといけません。点滴や採血は必要最小限にすべきです。
ぜんそく発作で1週間、場合によっては、午前と午後の2回も点滴に通うお子さんもいるようですが、それくらい重い発作なら「入院」が原則です。そもそも2時間程度の外来点滴でも改善がなければ、入院を考えるのが小児アレルギー学会の勧める対処なのです。入院をしないに越したことはありませんが、無理に引っ張ってはいけません。ぜんそくは呼吸困難のみられる病気なので、“苦しい”上に“痛い”思いは避けなければなりません。
アレルギー検査を頻繁に繰り返されるケースもあるようですが、2ヶ月ほどでは変化のあるものではありません。痛い思いは、採血や点滴のメリットがデメリットを大きく上回る時にすべきだと考えています。
当院では、以前から点滴と採血は少なくする努力をしていました。ですから、昨日の番組はとても共感できます。当院でも、発熱が続く子やアトピーなどでアレルゲンを調べるために採血を、胃腸炎で脱水のあるお子さんを中心に点滴治療をさせて頂いていますが、今後も慎重に必要かどうか適応を見極めなければならないと思いました。当院でも、どうしても必要な場合には、昨日のレポートをならって、なるべくお子さんに同意をとる対応をしたいと考えています。
まだまだ「点滴神話」というか、点滴が“最強”の治療と考えている方が多いようですが、痛い思いをしない、させないのが小児科医の「技術」と思ってもらえる時代がくるといいと思っています。


