「ラーメン つけ麺 僕、イケメン」で人気の狩野英孝のギャグで「スタッフーーーー」というのがありますが、ご存知の方も多いと思います。
先日も夏休みということで、100キロくらい離れた街から患者さんが来られました。
1歳前に卵を食べてアレルギー症状がみられた患者さんが、ある小児科を受診し、卵アレルギーと診断されたのですが、「卵は一生食べないように」と指導されたそうです。
ちょっと古いのですが、卵アレルギーに関する同愛記念病院のデータでは、3歳で51.2%、6歳で72.2%、9歳で82.4%治っていました。いま言われているデータも似たようなものだったと思います。確率の上でも「いずれ食べられるようになる可能性が高いです。それまで除去を頑張りましょう。」と言って励ましてあげるのが、正しい対応だと思っています。
アレルギーの体質があると、アレルギーの病気が重なりやすい特徴がありますが、この患者さんは風邪を引くとゼーゼーを繰り返していたそうです。しかし「ぜんそくの気があるが、治療をしなくてもいい」と説明されていたそうです。
これもゼーゼーを繰り返すことで、ぜんそくと診断され、重症化していくことが多いので、「ぜんそくと診断されます。症状のある時はキチンと治療していきましょう。」と説明し、ぜんそくがあることを理解して頂き、重くならないように早めに症状を抑えていくのが正しい対応だと思っています。
別の患者さんですが、少し前に咳が止まらないお子さんが受診した時のことです。特徴的な咳をするので、私は咳を聞いただけで精神的ストレスによって咳を繰り返す「心因性咳嗽(がいそう)」を疑いました。当院の“スタッフーーーー”もぜんそくの痰がらみの咳は聞き慣れているので、すぐに違う咳だと気付いたそうです。実は、このお子さんはいくつもの医療機関を受診し、何人もの医師から診察を受けて「風邪」と診断されていたのです。
当院は、アレルギーでお困りのお子さんが多く受診されます。私は診療がスムーズにいくように、看護スタッフにも子供のアレルギーについて教育や指導をしており、基礎知識は頭に入っていると思います。血液検査だけで、食べられるかどうか判断してはいけないことや、卵やミルクアレルギーが年齢とともに治ってくることも当然理解してくれています。最初の患者さんへの前医の指導が正しくないことはすぐに気付いていました。
これらの話を聞いてお分かりのように、アレルギーは専門的な知識をしっかりもっていれば、医師でなくとも病気の判断は可能です。生活指導についても、ある程度経験がモノを言うため、場合によっては医師よりも的確な指導がそれなりにできてしまうのではないかと思っています。
「咳」は、医療機関の受診理由の2番目に多い症状だったと思います。咳の患者さんの中には「ぜんそく」や「心因性咳嗽」も含まれます。現実問題として、頻度的にも「風邪」が多いのは確かだと思いますが、思い込みを捨てて、いろいろなことを疑ってかからないと、患者さんの病気の核心を突くことはできないのです。逆に医師でなくても、病気の特徴を押さえておけば、すぐに気づいたりするものです。
食物アレルギーの唯一の治療法は、アレルギーの原因となる食品を除去することに尽きます。卵なら卵、乳製品なら乳製品をどれだけ除去するかがポイントなので、どちらかというと治療というよりは、生活指導が中心になると言っていいと思っています。男性の医師よりは食物アレルギーに関する基礎知識を持った上で、料理をし慣れた女性の看護師の方が、相談役に適しているのかもしれないと思っています。
私が診療中だったり、聞きにくいようなことはまず“スタッフーーーー”にご相談下さい。もちろん対応が難しければ、私がお答えしますが、開院当時よりは、かなり力をつけていますので、“スタッフーーー”もそれなりの相談に答えられるようにはなっていると思っています。今後もスタッフにも学んでもらいつつ、当院が一丸となって小児アレルギーを中心に、地域医療に少しでも貢献していきたいと考えています。


