夏休みということで、遠くから患者さんが受診されます。市外からの受診が多いのが、当院の特徴だと思います。
遠くから受診される患者さんだけに説明を30分かけているのではなく、市内から来られる患者さんでも、対応が何ら変わることはありません。アレルギーで困っている患者さんを少しでも楽にさせてあげたい、親御さんの不安を解消してあげたいと願い、一生懸命説明していると30分くらい経ってしまっているというのが正直なところです。
アレルギーは、ご存知の通り慢性疾患です。「風邪」や「乳児湿疹」は、場合によっては放っておいても治るのですが、ぜんそくもアトピー性皮膚炎は治りづらいために、薬を使った治療の他に、症状を悪化させないように親御さんが日常生活の注意点をキチンと理解しておかないといけません。そうしないと、治療している割りには、症状がスッキリしないなんてことも起き得ます。
先日市外から受診された小学生は、赤ちゃんの時から湿疹がひどく、いくつもの小児科や皮膚科を受診され治療を受けてこられたそうですが、症状は改善しなかったそうです。そこで当院を受診された訳ですが、入院してもおかしくないくらいのかなりの重症のアトピー性皮膚炎でした。せっかく私を頼って下さったのですし、やり甲斐があるし、親御さんの期待に応えたいと思っています。
何とか良くしたいと、病状説明や治療の次に薬の塗り方、生活指導に話が及んだところ、思いがけない言葉を聞き、ちょっと耳を疑いました。「この子はこれまで石鹸を使ったことがないんです」というものでした。
子供はもともと新陳代謝がさかんですが、アトピーですと汗や皮膚の汚れが悪化要因になります。石鹸を使わなければ、皮膚の汚れは落とし切れません。アトピーの患者さんに石鹸を使わないよう指導する医師もいるようですが、正しくはないと思います。皮膚にある「皮脂」も落とすことを心配しているのかもしれませんが、悪化要因である皮膚の汚れを落とすことの方が重要だと思います。アトピーの“ガイドライン”にも低刺激性の石鹸で優しく洗うよう記載されています。
石鹸で洗わなかったから重症化した、とは言いません。でもアトピーの患者さんほど、皮膚は清潔にというのが基本中の基本のはず。親御さんも、一人の医師からそう説明されて、その他の医師には敢えて聞かなかったのかもしれません。でも患者さんはもう小学校中学年です…。プロ並みの指導や治療ができるという“ガイドライン”が全然普及していないんだなとガッカリしました。
この患者さんは、活発なお子さんで水泳も大好きなのですが、プールの塩素の影響で皮膚がしみてしまい、長くは入っていられないそうです。私の診ている患者さんはみなプールに入っています。治療と生活指導を徹底し、他のお子さんと同様な日常生活を送れるようにしなければなりません。ここが腕の見せどころだと思っています。
きっと、他にも日常生活を我慢せざるを得ないアレルギーを持つお子さんは少なくないんだと思います。アトピーのひどい赤ちゃんから小中学生、ゼーゼーを繰り返したり、入退院を立て続けにしている赤ちゃんから中学生、食物アレルギーで卵が食べられない、何種類も食べられないというお子さんは、夏休みはまだありますから、お早めにご相談下さい。医学的に根拠のある、専門医ならではの医療を提供させて頂きたいと思っています。


