小児科 すこやかアレルギークリニック

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ここが変
2008年09月01日 更新

当院は、風邪や胃腸炎、アレルギー、予防接種などに対応する普通の小児です。アレルギーだけの専門クリニックではありません。

若い頃に県内の病院を転々として、小児科臨床を修行していく中で、アレルギーの「プロ」になりたいと思い、国内留学を決意しました。私は、まだまだ勉強しなければならないことが沢山あることを認識しています。しかし、国内有数の専門施設でこだわって勉強させて頂き、専門的な技術を教わってきましたので、アレルギーのプロの端くれを名乗ってもいいのではないかと思っています。

よく「小児科・アレルギー科」の看板を見かけますが、どの先生も専門施設で修行されている訳ではありません。私はまだ第一人者の先生の足元にも及ばないことを知っているし、だからこそ努力をし続けています。あくまで私の考えですが、私が「アレルギー科」を名乗る最低ラインだと思っています。

日常診療をしていて、「ぜんそく」を“風邪”、“マイコプラズマ”、「アトピー」を“乳児湿疹”、“乾燥肌”と診断されているケースは少なくありません。「アレルギー科」の看板には、技術に幅があることを表している例だと思います。患者さんは素人ですからどう対応してみようもなく、各医師が患者さんのために技術を磨くしかないのだと思います。

日本は「専門医」の考え方が進んでいないと言わざるを得ません。“非専門医”と“専門医”が診療しても1回当たりの医院の収益は変わりません。例えば、咳の長引いている患者さんを診察して、専門医がぜんそくと診断し、治療したとします。病態に治療が合っていれば、効くはずです。2回の通院で症状が落ち着けば、「また悪くなったら受診して下さい」と言って、一旦治療は終了となります。

一方、非専門医が“風邪”と診断すれば、風邪薬はぜんそくの咳にはあまり効きませんので、何度も通院することになります。ぜんそくの咳は自然に治まってしまうことがあります。風邪薬をもらいつつ、通院しているうちに自然消滅することもあるのです。その間、4~5回通院したとします。病院にかかると患者さんはその都度、医療費を支払います。お金のことは言いたくないのですが、単純に考えて専門でない医師の方が収益が上がってしまうこともあるのです。

病気を的確に診断して、早く治療しても、専門医に技術料は加算されません。先週は、超重症なアレルギーの患者さんが何人も受診されました。どこに行っても満足な対応はしてもらえなかったとおっしゃっていました。そういう患者さんに一人当たり20~30分かけて説明しても、周囲では得られないような専門的な知識を分かりやすく話しても、技術料も出ないのです。アレルギーに関しては“良心的”かつ“専門的”に診療していると、どんなに患者さんのために頑張っていても、赤字であればその医院は潰れるしかないのです。ということは、うがった見方をすれば、現在の日本では、専門を持たず、時間をかけずに多くの患者さんを診た方がお徳というシステムなのです。

外国では、かかりつけ医が最初に対応して、専門医の診察が必要と考えれば、専門医に紹介するというシステムがとられています。患者さん一人当たりにたっぷり時間をかけて説明しても、生活できるだけの収入が出るそうです。日本は、専門医が腕を振るいにくいシステムになっていると言わざるを得ません。

私の場合、困っている患者さんのために毎日外来をする必要性があったために開業を決意しました。こういう日本の医療の問題点は承知の上でした。ですから、このシステムに文句を言っている訳ではありません。同じルールの中で、専門医と非専門の先生が診療をしています。何にこだわり、どう医療していくかは、その先生の考え方によると思います。

医療が高度化してくると、医師には専門的な知識や技術が求められるようになります。すべての医師が専門施設で勉強できる訳ではないし、医学書を読んだくらいでは到底マスターはできません。日本の医療システムは、「後期高齢者医療制度」ひとつをとってみても迷走しているのは明らかです。医者の全てが同じ技術を持っているという前提だから、誰が診ても患者さんの支払う医療費が同じなのだと思います。医学の進歩につれて、専門医と非専門医では、実力の差は患者さん達が考えているよりも、遥かに大きな差が生じてしまっています。こういうシステムは過去のものと言えると思っています。

日本は専門医が育ちにくい状況になっていると考えざるを得ません。私は、これからの若い先生が、専門医として思い切って活躍できるシステムに変わっていって欲しいと思っています。現時点でも専門医かどうかで、実力の差は存在する訳ですから、一言言わせて頂くとすれば、各医師が治療しても改善が思わしくなければ、専門医に紹介状を書くようにして頂けると、患者さんのためになると思っています。