ちょっと前まで暑いと思っていたのに、ここ数日は急に寒くなりました。
こういう時期は、寒暖の差があるのでぜんそく発作を起こしやすくなります。お子さんがぜんそくだと、親御さん達はこの季節になるととても憂鬱な気分になられると思います。
当院は、アレルギーを全面に押し出した小児科クリニックです。ぜんそくの患者さんの数は、他の医療機関がどれくらい診ていらっしゃるのかよく分かりませんが、かなり大勢の方が通院して下さっています。専門的知識を駆使して、アレルギーの“プロ”としての治療を心掛けています。
秋は、病院ならぜんそくの入院が増えるし、開業医では吸入や点滴などの処置が増えるだろうと思います。当院は、開院以来ぜんそくの患者さんが毎日新たに受診されています。何百人かは定期的に経過を診させて頂いています。その当院は、さぞかし吸入や点滴をやっているとお思いかもしれませんが、この9月の1ヶ月間で吸入は数回、点滴は0回です。
大人の場合は、仕事があったりして病院にすぐにはかかれずに悪化してしまい、点滴が必要になることはあるでしょう。こどもの場合は、受診のタイミングが遅いことはあまりないと思われるので、キチンと治療して丁寧に診ていけば、点滴はほとんど必要なくなると考えています。
以前、ネットでホームページを見ていたら、某県某市の小児科、アレルギー科を掲げる先生が「アレルギー科」について自身のブログでこんなことを書いていました。「自分はアレルギーの勉強や研究はしてないため、“アレルギー科”を標榜するのに躊躇はあるけれど、ぜんそくの患者をたくさん診ているので“アレルギー科”の看板を挙げさせてもらいます」といったものでした。どれだけの患者さんを診てるかというと、秋のある日に来院患者さんの3分の1がぜんそく発作だったそうです。中には大発作のお子さんもいて酸素吸入や点滴で大変だったそうです。
私はこれを見た時に心底ビックリしました。アレルギーが専門の小児科医なら、治療が適切で発作を起こさせないので通院患者さんのほとんどは発作は起こさないはずです。当院の受診患者さんの3分の1がぜんそく発作なら、恥ずかしくて「アレルギー科」の看板は挙げておけないと思います。また、小児アレルギー学会によると、ぜんそくの“大発作”は入院治療しなければならないことになっています。低酸素なら尚更だと思います。「アレルギー科」を標榜するのは自由ですが、患者さんのためにもうちょっと勉強しなければならないのではないかと思います。
別のアレルギー学会で研究などをされている皮膚科の先生のホームページにはこんなことが書かれていました。「“アレルギー科”は、その医師の研究業績や研修歴とは何の関係もなく、ただ単に〈患者集め〉を狙って標榜される事例があるため、その医師がこれら広い領域について、本当に業績•研修歴があるのか見極めることが大切です」
私もアレルギーにはこだわっているため、この先生の気持ちはよく分かります。“勉強も研究もしていない”のに「アレルギー科」には参りました。ただ主治医の業績や研修歴を見極めることって難しいことなんですよね…。日本アレルギー学会認定のアレルギー専門医などに限り標榜を許可するなど、もっと分かりやすくしないと「アレルギー科」の看板は患者さんの道しるべにはなり得ないと思っています。本来なら、自分のためでなく、患者さんのためにその看板はあるべきなのではないでしょうか?。
誤解を招くと困りますが、「アレルギー科」を名乗る先生の中には、実績や経験のある先生もいらっしゃいます。自由に「アレルギー科」と標榜できることが混乱を招いているように思っています。研修先や学会にいくと、周りは日本の第一人者ばかりなので、私自身が「アレルギー科」を名乗ってもいいのかという気持ちもあるくらいです。時折遭遇する難しいケースは、恩師の先生などにお聞きしたりして、解決してきたつもりです。新潟県の困っている患者さんのために頑張りたいという決意を込めて“アレルギー”の文字を医院名に入れたのです。
私自身、研修先で乳児から思春期までのかなり重症なぜんそくの患者さんを診て勉強させて頂いてきました。たいていの患者さんの症状を改善できるだろうと思いますが、それでも学ばなければならないことが沢山あることも知っています。まだまだ勉強して、実力を上げないといけないと考えています。
当院に来られる患者さんの話をよく聞いて、過去の治療をみると治療不足のケースが多いように思います。ぜんそくは慢性の病気なので、適切な治療でなければ発作を抑えることはできないと研修先で学んできました。今後も市内外からアレルギーでお困りの患者さんが来られると思いますが、「アレルギー科」として期待に応えられるような診療を心掛けていきたいと思っています。


