先日、下越のお子さんがエビでアナフィラキシーショックを起こしたため、学校給食の問題もあり、学校の先生方に当院まで来て頂き、話し合いをもったお話をしました。
その時に、食物アレルギーについて説明し、発症時の対応、ショック時の対応などを話し終わった頃に校長先生からこんな質問がありました。「カレーアレルギーってあるんですか?」
最近は、アレルギー体質のお子さんが多く、いろんなもので反応してしまいます。大豆製品は食べられるのに、納豆で強いアレルギー症状を起こすこともあります。日頃から勉強していないと、医師でも患者さんから突っ込まれてしまいそうな誤った判断を下すことがあります。
校長先生の話によると、エビアレルギーの子とは異なりますが、カレーを食べて強いアレルギー症状を起こしたお子さんを担当したことがあるのだそうです。不思議なことにA社のカレールーを使うと症状が出るのに、B社のルーを食べても何ともないのです。地元の医院にかかったところ、診断は「カレーアレルギー」だったそうです。B社のルーににも“カレー”は入っているため、「カレーアレルギー」と診断されるのはおかしいとは思いませんか?。
私は、学会でこの話は聞いたことがあるので、答えはすぐに分かりました。ズバリ「ピーナッツアレルギー」でしょう!!。
カレールーの中には、“隠し味”としてピーナッツが入っていることがあるのです。数年前に話題になりましたが、ピーナッツを食べたばかりの恋人が、重症ピーナッツアレルギーのパートナーにキスをしてアナフィラキシーショックで亡くなってしまったという事故がありました。アメリカではピーナッツアレルギーが問題になっており、年間50人以上の方がピーナッツアレルギーで死亡していると聞いたことがあります。とにかく、ピーナッツは強いアレルギー症状を起こす代表的なアレルゲンなのです。
ここ日本でも、日頃診療していると、ピーナッツでショックとまではいかなくとも、アナフィラキシーを起こすお子さんは時々診ます。私自身はカレーを食べてアナフィラキシーを起こした患者さんを診た経験はありませんが、ピーナッツアレルギーの増加を肌で感じているので、いつかはこういった患者さんが受診されるのではないかと思っています。いつでも対応できる準備はできています。
医学に限りませんが、知っていればすぐに解決できるし、知らなければ解決の糸口すら見つからないことはよくあります。専門的な知識を持っているから、専門医の資格を持っているのです。どの小児科の先生も分からないことはあるはずです。ましてや専門でなければ、専門医に相談するくらいの対応を取って頂きたいと思っています。そうしなければ、その先生は同じケースに遭遇したら「カレーアレルギー」と診断し続けると思います。
こどもはカレーが大好きです。「カレーアレルギー」と“誤診”されて、カレーが食べられないのは、とても気の毒だし、食べられるのに食べられないと指導されていたらひとたまりもありません。医者の知識によって、患者さんの生活や行動の制限は確実に広がったり、狭まったりするのです。特に、「食」に関わる食物アレルギーは、なるべくは原因を究明すべきでしょう。
当院は、食物アレルギーでお困りのこども達の味方であり続けられるよう努力していきたいと思っています。


