小児科 すこやかアレルギークリニック

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2008年10月10日 更新

「すこやか健康フェア」が終わってホッと一息つく暇もなく、新患の患者さんが続々と受診されています。ぜんそく、アトピー、食物アレルギーとどの病気でも来られています。

そんな中で、先日食物アレルギーのお子さんが来られました。他にもぜんそくとアトピー性皮膚炎も合併しており、かなりの重症でした。残念ながら医師からではなく、知人からの紹介でした。

前医でのアレルギー検査の結果を見ると、卵、ミルク、大豆、小麦、魚、甲殻類、軟体類、果物など調べられていたもののすべてが、クラス2以上の陽性でした。その医療機関では、検査を時々行ってはいましたが、数字が高いままなのでどうしようという提案もなく、「食物負荷試験」の話もなく、経過をみられていました。

食物アレルギーは、専門的な勉強をしているかどうかで、治療方針は大きく変わります。一番の違いは医師の目の前で「食物負荷試験」をしてシロクロを付けるということですが、その他に“無駄な除去”を避ける努力をしています。つまり“食物アレルギーの常識”に沿って考えながら除去する食品を決めています。この患者さんは、味噌や醤油をわざわざ高価なアレルギー対応食品という形で利用していました。多分ですが、私は必要ないと思います。それは味噌や醤油は、通常のものでもアレルゲン性はかなり落ちているからです。

一方、アレルギーの強い患者さんは小麦でもアナフィラキシーという強いアレルギー症状を起こすことがあります。「食物負荷試験」という医師の目の前で検査するという方法を聞いていなかったので、ご自宅で“パン”を食べさせてみたそうです。幸い、強いアレルギー症状は出なくてよかったものの、問診をひとつひとつ聞いていた私の方がヒヤヒヤしたくらいです。

本来なら、専門家である小児科医がアドバイスをして、代替の高価な調味料をなるべく早く解除し、小麦は慎重に対応すべきだと思います。魚もビタミンDの補給源ではありますが、魚も制限されていました。牛乳も完全除去なのでカルシウムは足りているでしょうか?。いろいろ心配は尽きません。

ハッキリ言いましょう。こういう患者さんこそ、アレルギーの専門医が診るべきで、非専門の先生は紹介して下さった方が良いと思います。私が診たから、何でも食べられるかと言えば、そうではないかもしれません。しかし、現状よりはいろんなものを食べるようにできると思うし、努力もします。更にお母さんにも自信を付けて頂くことは可能だと思っています。医師からすれば「これだけ重症だと、誰が診ても同じ」とお考えかもしれませんが、そんなことはないのです。

お母さんはだいぶご苦労されており、悩み苦しまれたようです。こういう時にお母さんの支えになるのは、同じ境遇のお母さんだと思います。当院かかりつけの重症な食物アレルギーのお母さんは、積極的に当院の勉強会に参加して、情報交換をしています。こういうお母さんは、普通の小児科医よりも知識は豊富です。信じられないかもしれませんが、本当にそうなのです。そういうお母さん方を紹介しますので、是非仲良くなってアレルギー対応食のレシピなど、情報交換して欲しいと思っています。実際に、患者さんのお母さんから、そういう出会いがとても力になったと伺うことも事実です。

食物アレルギーの患者さんのお母さんは、孤軍奮闘されています。食物アレルギーの患者数は少なくないですが、極めて重症になると数は本当に少ないので、なかなか巡り会えないのです。当院にはそういう患者さんがいらっしゃるので、紹介したいと思います。

重症な食物アレルギーの患者さんのために、県内では数少ない専門医として正しい医療を提供したいと思いますが、“運命共同体”とも言えるお母さん達と、明るく強く前向きに頑張って頂きたいと思っています。当院は食物アレルギーを克服できるようにサポートしていきたいと考えています。