先日、ある医療機関で卵を自宅で食べるように指示され、食べさせられずに困っている自身も食物アレルギーのお母さんの話を取り上げました。
初診された時に「食物負荷試験という方法があるので、医院で食べさせてみましょう」と時間をかけて丁寧に説明しましたが、母の表情は硬く、相当“卵を食べさせること”に恐怖心を抱いているように思えました。となると、ある程度客観的に証拠を示す必要があります。以前やったアレルギー検査から時間が経っていたので、もう一度検査させて頂きました。
検査結果は、「0」ではありませんでしたが、以前よりも下がっていました。ということは一定の冷却期間をおいた結果、お子さんと卵が“和解”してきている証拠です。この結果を見せた時には、さすがにお母さんもホッとした様子でした。
その上で、もう一度食物負荷試験の説明をしました。過去に卵の負荷試験は何百回もやっていますので、ある程度は食べさせられる自信があります。先回は、当院を初めて受診されたので、私とも初対面で信用していいかどうか、まだ迷いがあったのかもしれません。今回は、素敵な笑顔で負荷試験を承知して下さいました。
負荷試験をやってみて、実際に食べられることが分かると、「今まで食べちゃいけないと言われていたあの指導は、なんだったんだろう?」と言われる方が多いのが実情です。このお母さんも、誰かが背中をポンと押してくれなかったから、恐怖心もあり前に進めなかったのでしょう。是非とも何とかしてあげたい、そう思いました。と同時に、お母さんのような境遇の方は県内にはたくさんいらっしゃると思います。新潟県には、食物アレルギーに熱心に取り組む小児科医が増えなければならないと思いました。
先日、テレビを見ていたら「主治医が見つかる診療所」という番組をやっていました。出演されていた脳外科の先生は、動脈瘤の手術では絶対的な自信を持っておられて、番組の中で「私は絶対に逃げません。よそで断られても、最後の砦だと思って、是非受診して頂きたい。」とキッパリと宣言していました。私はカッコいいなと思い観ていました。
食物負荷試験では、私も同じような気持ちです。食物アレルギーは、誤解があまりにも多いのが現状で、卵以外でも負荷してみて白黒をつけなければならないものがたくさんあります。遠路から来られても、損はさせないつもりです。上越地方、ひいては新潟県内に正しい方法を広めたいと思っています。一度相談に受診して下さい。


