小児科 すこやかアレルギークリニック

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歯止めをかける
2008年10月29日 更新

当院は、“小児科”です。

アレルギーにこだわってはいますので、大人のアレルギーも診れなくはありません。でも大人のぜんそくなら呼吸器内科の先生が診るべきと思っていますので、なるべくこどもだけを診るようにしています。

先日、来られたお子さんは、長引く咳が他の医療機関で治療してもなかなか良くならなかったそうで、当院を受診されました。話をよく聞くと、ぜんそくだと判断されました。いつも言っている通り、ぜんそくなのに“風邪”と診断されていると、改善はおろか逆に悪化することも多いのです。何でも咳が出れば“風邪”と診断するのではなく、しっかりといろんな病気を区別した上で診断すべきだと思います。

お子さんを連れてきたのはお父さんだったのですが、じっくり時間をかけて理論的に説明したら、私を信用して下さったようです。「実は私も…」とご自分の症状を話し始めました。

かれこれ3~4ヶ月咳が止まらないとのこと。成人ですので、近所の内科にいって治療しても改善せず、「鼻が気管支に落ちているのだろうから、耳鼻科に行きなさい」と言われたそうです。鼻のせいではないことは、すぐに分かりました。何故なら、お父さんもぜんそくの特徴を満たしていたからです。

お父さんは営業の仕事をされているそうで、営業中に咳が出るのはイメージダウンにもつながるので、早く治したかったそうですが、よくならなかったのです。まず通常の治療から始めさせて頂きました。

次回、受診された時に、まずお子さんから診察しました。「咳はピタッと止まった」そうです。まあ、診断が正しければ、ぜんそくの治療が効果的なのは当たり前と言えば当たり前です。正直言って、お父さんの方が気がかりでした。

結果は、イマイチだったそうです。私は小児科とはいえ、大人のぜんそくの診断や治療はそれなりにできるつもりです。診断を間違えることは、ないはずです。治らない方が、見落としがあるはずなので燃えるのです。経過がとても長いので、そう簡単には咳を止められないのかもしれません。それならそうと、次の戦略を考え、お父さんに説明しました。詳しくは書きませんが、ある薬を選択させて頂きました。

次回受診時、お父さんの経過がとても気になっていました。結果は「翌日には咳が止まり、すごくビックリしました」と満面の笑みでおっしゃっていました。私もこの結果にはニンマリです。

この話でお分かりのように、ぜんそくは咳に“歯止め”をかけることによって治療が成り立ちます。“風邪薬”では難しいと思います。当院の親御さんは、ぜんそくがあると呼吸器内科の専門医の先生にかかっているケースが多いですが、その先生の治療法をみても実感できます。専門医とそうでない先生の差はここにあるのだろうと思います。

今はぜんそくのシーズンですが、当院には相変わらず呼吸困難を伴うようなぜんそく発作のお子さんはいません。今年から当院にかかっている患者さんも「今年の秋は咳が出ません」と口を揃えていって下さいます。それなりに病状に合った適切な治療ができていると思っています。でも、現状に満足することなく、患者さんひとりひとりにベストの治療ができるよう、研鑽を積まなければと思っています。