小児科 すこやかアレルギークリニック

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咳き込み嘔吐
2008年11月01日 更新

「咳き込み嘔吐」とは、咳き込んで吐いてしまうことを指します。

大人の方でもすごく咳き込んで、吐きそうになったという経験をお持ちの方もいらっしゃると思います。こどもは元々咳でなくても吐きやすいので、咳き込めばもっと吐きやすいのです。

この時期、ぜんそくのお子さんは悪化しやすいと思います。ぜんそくは、あり得ないくらいのタンが絡む病気で、タンが震えてゼーゼーいいます。そのタンを出そうと強く咳き込むのです。その際にも、咳き込み嘔吐がみられることが多いのです。

以前、他の医療機関で3回吐いたために点滴をしてもらったという患者さんが、当院を受診されました。胃腸炎による嘔吐という診断だったようです。咳もひどいと言うことで、点滴を受けた翌日に当院に移ってこられたのです。

その吐いた時の状況をよく聞くと、いずれも強く咳き込んだ後に嘔吐が3回みられています。私はこれは胃腸炎による嘔吐というよりは、ぜんそく発作による咳き込み嘔吐と考えました。症状はぜんそくと合致するからです。そして、ぜんそくの治療をしたら、その日の夜から「嘔吐」はなくなったそうです。

先日来られて患者さんは、ぜんそくがあり、私が治療させて頂いていました。そのお子さんが、「咳き込んで何度も吐いている」とお母さんが連れてこられました。お母さんは「先ほども吐いた」ととても心配されています。

早速聴診してみると、肺の音に異常はありません。咳き込んで吐くのは、ぜんそく発作を起こせば、よく見られることです。しかし、聴診器でよく聴いてもゼーゼーは聞こえません。私は、「胃腸炎もあるな」と考えました。試しに院内で水分をちょっと与えてみると、咳き込まずに吐いたのです。つまり、ぜんそく発作を起こしてしまい、咳き込んで吐いたのも事実でしょうが、ちょうとタイミングよくと言うか、胃腸炎を発症して嘔吐を繰り返したのだろうと結論づけました。

お子さんは、診察室に入るなり「点滴しない?、点滴しない?」と繰り返し私に聞いてきました。できることなら点滴はしたくない、そう考えていました。しかし、おしっこを調べてみると、脱水の時にみられる反応が強く出ています。最初のケースは点滴はしなくて良かったのかもしれませんが、この場合は点滴をしない方が患者さんに失礼だろうと考え、理解を求めました。お母さんも、最初はぜんそく発作のせいだと考えておられたようですが、胃腸炎の合併を理解して頂けました。

同じ嘔吐でも、原因が違えば治療も異なります。胃腸炎の嘔吐であっても、軽ければ点滴なんて必要ありません。ちなみに、先ほどの患者さんは点滴を恐れていたのですが、必要と判断したので点滴をさせて頂きました。薬が効いたのか、吐き気はなくなり元気になりました。「点滴してよかった人~?」と聞くと「は~い」と答えてくれました。

「咳」の関わる症状には、特にこだわっておりますので、小児科医として、アレルギー専門医として、今後も的確な判断をできるよう努めていきたいと思っています。