小児科 すこやかアレルギークリニック

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黒ずみはどうなったか
2008年11月10日 更新

先日、初診したアトピー性皮膚炎の患者さんの皮膚が黒くなっており、ご家族はステロイドの副作用を疑っておられました。

確かにステロイドの副作用で“皮膚が黒ずむ”という噂はあります。しかし、それは正しくありません。アトピー性皮膚炎に関する巷で言われていることのほとんどは、根拠のないことなのです。

親御さんには、時間をかけてそれが正しくないことを説明しました。その上でアトピーの治療のコツをお伝えし、その通りのことをやって頂こうと思いました。当然、ステロイドのデメリットである副作用はどうすると起こりやすいのかも説明をしています。ちょっと変な言い方なのですが、「だますつもりはないけれど、だまされたと思ってキッチリ対応してみて下さい」とたいていの患者さんに言うようにしています。患者さんによっては、まだ若干の不安が残っているかもしれず、ポンと背中を押すためです。

自分の治療には責任を持っていますし、患者さんのほとんどが次回受診される時までに大幅に改善していますので、軽快しているのは分かっていました。ですがどの程度改善しているのか、私も知りたいと思っています。診察室に入ってきた親御さんの笑顔ですぐに察しがつきました。

結果は、大幅に改善していました。ちょっと前にザラザラだったところがかなりツルツルになり、黒ずみもかなり目立たなくなってきています。身体の広範囲がアトピーの皮疹で覆われていましたが、別人のような肌に親御さんもご満足の様子でした。また、皮膚の痒みも減り、よく眠れるようになったそうです。結局、黒ずみは副作用ではなく、“治療不足”だったことは明らかだと思います。

今回の最大のポイントは、これまでは「軽いアトピー」と診断されていたことでした。実際には「重症」でした。治療も軽症に見合ったものだったので、良くならなかった訳です。改善がないまま、しばらくの間、軽症用の薬が処方し続けられていました。アトピーは慢性の病気ですから、中途半端にしていると更なる悪化を招くことが多いのです。

結果的にも、前主治医の先生は専門医に紹介した方がよかったと思います。ちなみに今回は、紹介ではなく、親御さんが当院の評判を聞いて受診されたという形です。別に前医の先生のやり方をどうこう言うつもりは全くありません。アレルギーがご専門ではないので、致し方ない部分はあります。ただ、症状が改善せずに困っている患者さんには、現実問題として専門医が対応すると驚く程改善する場合もあるということをお伝えしたいのです。

この患者さんにも20分以上説明しました。今回の改善は、ステロイドに対する誤解も解く努力をした上で、適切な強さのステロイドを適切な期間、適切な量を塗った結果であると分析しています。

親御さんは、今回の件で“専門医”の知識や技術というものをご理解頂けたと思っています。嫌な言い方かもしれませんが、専門医とそうでない医師の間には知識も含めた実力の差は存在してしまうのです。これまで何度も「もっと早く受診すればよかった」という本音を耳にしています。この患者さんも今後は、多少遠くても当院に通院し続けて下さると思います。

当院は、私を頼って受診して下さる患者さんに対して、知識と技術に誠意を添えて今後も適切な医療を提供させて頂きたいと思っています。お困りのお子さんは是非ご相談下さい。