赤ちゃんに湿疹があると、乳児湿疹の場合もありますが、アトピー性皮膚炎も考えなければなりません。
以前からそうですが、当院には連日湿疹が治らないと新患の患者さんが受診されます。小児科や皮膚科に通っていても改善しないと、かなり思いつめた表情で当院を受診されるケースが多いのです。
共通しているのが、診断名が告げられていないということです。患者さんは“素人”なので、医師に任せるしかないのでしょうが、“診断名がハッキリしていないのに治療されること”に疑問を感じて頂きたいのです。
いつも言っている通り、最初に「診断」があって初めて「治療」に踏み出せるのです。「診断」があるから、原因なり悪化要因を調べるために「検査」があるのです。「診断」が曖昧だと、「治療」まで曖昧になってしまうのは、避けられないと思っています。
「診断を何と言われていましたか?」と聞くと「教えてもらっていない」とか「聞ける雰囲気ではなかった」という答えが返ってきます。医師に聞けないような関係なら、それって“かかりつけ医”と言えるでしょうか?。医師は病気のプロのはずだし、アドバイザーです。医療費という形で報酬ももらっています。なのに曖昧な対応はすべきではないと考えています。医師に診断名や今後の方針をどしどし聞くべきだと思います。
先日来られた赤ちゃんは、顔に治りづらい湿疹があり、一生懸命通院しても「赤ちゃんの皮膚はこんなもの」と繰り返し言われていたそうです。果たして本当でしょうか?。乳児検診で周りのお子さんの顔を見てみると、湿疹はありますか?。私は“こんなもの”だとは思わないのですが…。
また、口の周りに痒い湿疹があると「よだれかぶれ」と説明する医師もいますが、よだれを垂らしまくっているのに皮膚のツルツルした赤ちゃんもいます。つまり、よだれが原因でないことはお分かりだと思います。
あまりの治らなさにおかしいと思って、当院に来られる患者さんは少なくありません。当院は、そういった親御さんから“最後の砦”と思って下さっている方もいらっしゃるようですが、期待に応えなければなりませんし、答えを出さなければならないのです。
アトピー性皮膚炎と判断されれば、キチンと「アトピーです」とお伝えしています。親御さんとしては下されたくない診断のはずです。その代わり、診断の根拠を示し、疑問点をなくす努力をしています。「アトピーは治りづらいもの」、「ステロイドは怖い薬」、「食べ物を必ず除去しないといけない」など誤解があまりにも多いため、説明していると30分くらいはあっという間に経ってしまいます。
アレルギーが専門でない医師が、こういった乳児の皮疹を診る機会も多いと思います。治療してみても改善が思わしくなく、治療が難しいと思ったら専門医に紹介して下さい。「内科小児科」の医院にかかっている患者さんもいますが、内科の先生に乳児のアトピーはちょっと荷が重いと思います。「皮膚科」の先生でも食物アレルギーが関与している場合は、小児アレルギーの専門医でないと対応は難しいかもしれません。「小児科アレルギー科」の先生でも、中等症から重症だと症状を落ち着かせるのは困難でしょう。
患者さんは、かかりつけと思って信頼して一生懸命通っているのです。良くならなかった時にどう思われるでしょうか?。(多かれ少なかれ)落胆の気持ちをお持ちになると思います。「誰が診ても良くならないだろう」ということではないだろうと思います。私も専門病院で研修してきた身として、それなりの技術は持ち合わせているつもりです。
当院では、どの医療機関よりも説明に時間をかけているだろうと思っています。何故良くならないのかと途方に暮れている患者さんを放っておけないので、全面的に協力しているつもりです。当院で治療して、あっさり改善すると「これまでのは何だったんだろう」とおっしゃる方も少なくありません。申し訳ないですが、「私の専門ですし、患者さんのために技術を磨く努力していますから」と言わせて頂くこともあります。
乳児のアトピーは、医者なら誰でも対応できる訳ではありません。アレルギー学は奥が深いのです。患者さんを落胆させないように、努力を続けていくつもりです。


