小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

簡単ではありません
2008年11月22日 更新

小児ぜんそくの治療は、ここ最近でかなり様変わりしました。

以前は、「テオドール」という内服薬と「インタール+メプチン(ベネトリン)」という吸入薬が主立ったぜんそく治療の武器でした。最近は、オノン(プランルカスト)やシングレア、キプレスといった抗アレルギー薬のほかに、フルタイドやパルミコート、キュバールなどの吸入ステロイドもあり、セレベントという気管支拡張薬もあります。いい武器が増えた分、かなり治療がしやすくなってきました。

これらの薬を使いこなせないと、ぜんそくの治療は難しいのです。そこで日本小児アレルギー学会がぜんそく治療のマニュアルである「ガイドライン」を作りました。医師による治療の格差をなくすのが目的です。小児特有のガイドラインが作成されたのが2000年なので、もう8年になります。ただし、まだ格差は解消されていないようです。

このガイドラインは、日本を代表する小児ぜんそくの専門医の先生方が集まって作成されました。福井大学や相模原病院の先生も含まれています。

重いぜんそくがあったために、これらの専門病院で言わばプロ中のプロが吸入ステロイドを使ってキチンと治療されていたのに、あいにく治療途中で福井市と相模原市から引っ越しになってしまった患者さんがいらっしゃいました。上越市内で治療を続けることになったそうですが、治療を中止されたとのことです。

ぜんそくが重い場合、中途半端で治療を止めてしまうとじきに悪化してしまいます。お二人とも、また咳やゼーゼーを繰り返して困っていたところ、当院の話を聞いて受診して下さいました。現在は、当院で「ガイドライン」通りに治療を再開して、また症状は落ち着いていますが、なぜ前医の先生が治療を止められたのか不明です。

もしかしたら、症状が出ていなかったので、終了していいと思われたのかもしれません。しかし、発作が出ないように治療しているのだから、症状はみられなくて当たり前なのです。

親御さんにぜんそくの治療の必要性を正しく理解して頂くことは、簡単ではありません。それは咳やゼーゼーなどの症状が出ていなければ、治療を止めてしまいたくなるのは無理のないことだからです。しかし、プロは症状が多少出ていないとしても冷静かつ沈着に対応しなければなりません。日頃の症状をポイントを押さえていくつか質問すれば、治療を続けるべきかどうかは判断できると思うのです。

重症なぜんそくの患者さんの場合、今回の話をみてもお分かりの通り、アレルギー専門医でなければ難しいケースも多いと思います。仮に吸入ステロイドを開始しても、治療の“止めどき”は判断が難しく、専門医でも悩むことがあります。

こういう重症なケースは、患者さんのためにも専門医に紹介して頂いた方が良かったと思います。患者さんも、重めのぜんそく患者さんの治療は充分な知識が必要であり、じっくり時間をかけて細心の注意を持って行う必要があることをご理解頂きたいと思っています。