風邪などの急性の病気はじきに治ってしまいますが、ぜんそくなどの慢性疾患はすぐには治りません。
大人のぜんそくは、完治する確率は非常に少ないと言われています。一方、こどものぜんそくは、以前言われていた8割には及ばないものの、5~6割は治ると言われています。この5~6割に含まれる努力が必要になると思います。
しかし、忘れてはならないことは、軽症は治りやすく、重症になるほど治りにくいのです。軽症の患者さんに、薬をダラダラと続けるべきではないし、重症なお子さんに予防的治療をせずに、発作を起こしたら点滴に通わせるような治療は避けなければなりません。重症な患者さん程、発作を起こす度に気管支を荒らしますので、予防的な治療が必要となるのです。
当院には、市内外から咳の長引く患者さんが受診されます。先日受診された患者さんは、ぜんそくと診断されていないのに、予防薬を2か月続けるように言われたそうです。お母さんは、咳もないのに何故そんにな続けるのか理解はしていませんでしたが、医師から「続けなさい」と言われるので渋々飲んでいたそうです。
ここで、お母さんのおっしゃることはごもっともだと思うのです。しかも、納得していないのに薬を続けることは避けなければならないと思っています。時間をかけてじっくり説明し、親御さんから同意を得てから治療を続けるべきだと思うのです。
でも、一番おやっと思ったのは、ぜんそくと診断が確定してからキチンと治療をすべきだと思うのです。また、先程申し上げたように、軽症なら長期に薬を続ける必要はないと認識しています。重症で、発作の予防が必要だと判断される患者さんに対して、しっかりとした継続的治療が必要になるはずです。
別の親御さんは、ある医療機関でぜんそくの可能性を示されたので、心配になって当院を受診されました。「ぜんそくにならないように、治療を数ヶ月続けるように」と説明を受けたそうです。ぜんそくを予防する方法があれば、私が聞きたいくらいです。患者さんの遺伝子にぜんそくを発症すると書かれている訳です。発症を避けることは難しいはずです。ぜんそく治療に使う薬を2か月程飲んで、ぜんそくの発症自体を予防できる程簡単なものではないはずです。
ぜんそくの診断が定かでない場合は、まずは基本に忠実に診断をする努力が必要です。診断が確定していないのに、治療を続ける必要があるのかと思います。また仮に診断されていても、症状が軽ければ継続的に治療をするのは、オーバーな対応である可能性があります。
親御さんに、薬を何か月も続けなければいけない状況なのかどうかをご理解頂かなければなりません。ご家族に治療を続けるメリットを充分感じて頂けるようにしないといけないと思うのです。
慢性疾患の治療は、確かに医師がリーダーシップを発揮しなければなりません。しかし、私は親御さんと医師の二人三脚が基本だと思っています。充分に説明した上で、信頼関係を築くことが大切だろうと考えています。


