小児科 すこやかアレルギークリニック

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失われた笑顔
2008年12月05日 更新

ぜんそくのある子とない子は、何が違うかお分かりでしょうか?。

ぜんそくのあるお子さんの特徴として、気管支があまりにも敏感だということが挙げられます。気管支が過敏なことを「気道過敏性」と言います。ぜんそくのある子は気道過敏性がとても増しているのです。一方、ぜんそくのない子はいい意味で気管支が鈍感なのです。

発作を起こせば起こす程、気管支の敏感さがドンドン増強していきます。こどものぜんそくの場合、発作を繰り返させてはいけないのです。私は点滴に通わせる治療は、発作を起こしやすいから点滴せざるを得ない状況になるのであって、すべてが後手後手になってしまい、何の予防にもなっていないため、いい治療とは言えないと考えています。

気管支の敏感さが増してくると、運動すると咳き込みやすくなります。温度差で咳が出ることもあるし、笑っただけでも咳がみられるようになります。これはアレルギーの専門医なら皆が知っていることです。

先日、来られた患者さんはこれらの症状が全て見られていました。患者さんはなぜこういう症状がみられるのか、理解されていませんでした。ご家族でそのお子さんだけ笑うと咳き込むので、笑わせないようにしていたそうです。

こどもの笑顔は天使のようだと例えられます。また周囲を幸せにします。それなのに、笑わせないようにしていたとなると、とても不幸なことだと思います。けれどご家族も、お子さんのためを思い咳き込ませないように努力をされていたのです。前主治医がこのことを認識していたのかは分かりませんが、医療のプロとして的確なアドバイスをすべき立場にあったはずです。

当院では、重症な患者さんが初診すると、走ったり笑ったりして咳き込むかどうか聞いています。それも治療法を選択する上でとても大切な項目です。ぜんそくが重いとそういう症状がみられるのです。当然、治療すれば見られなくなってきます。治療が上手くいっているかどうかの指標にも使える訳です。

小児科医は、ぜんそくの治療をする上で、気道過敏性を念頭に入れて治療しなければ、適切な治療はできないと思います。医師は診察時に、お子さんが走ったり、笑ったりしている訳ではないので、聞きにいかなければ分からないことだからです。専門医でなければ、ちょっと難しいと思います。お子さんを守る意味でも、できれば親御さんも、それは覚えておいて頂きたいと思っています。

私の周囲には、まだこの患者さんのように気苦労の耐えない方も少なくないと思います。上越のこどもの笑顔を奪いたくない。思い切り笑わせてあげたい。そのためも日々努力を続けていかなければならないと考えています。