小児科 すこやかアレルギークリニック

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医師の言葉
2008年12月18日 更新

麻生総理が失言を繰り返しています。政治家は言葉を大切にしないといけません。

私は医者なので、この場でコメンテーターのように政治について語るつもりはありません。医者は“技術者”なので、患者さんにアレルギーを中心に正しい情報や今の現状をお伝えする目的で記載しています。畑違いのことを書こうとも思いません。

私が診ているぜんそくの患者さんで、お父さんがIgA腎症という慢性の腎臓病を持っているお子さんがいます。1年以上前にお子さんに血尿があることが分かりました。お母さんは、当時かかっていた医療機関で慢性の腎臓病か調べて欲しいと頼んだそうです。

お母さんの気持ちはよく分かります。何せ20年後に40%の割合の患者さんが腎不全に至ると言われている怖い病気だからです。私が以前勤めていた柏崎の病院では、早期発見早期治療ということで、時間をかけてキチンと治療していました。

精査を依頼した時の、前主治医の答えはこうだったそうです、「最近の親は検査、検査とばかり言う…」。

医師はお母さんの気持ちを汲んで、精査をすべきだったであろうと思っています。私が親なら、お母さんと同じことを言ったと思うのです。とても心配されているのでしょうから、腎臓が専門でなくても「まずは痛くない尿検査で定期的に経過を追いましょう」とか、お母さんを不安に陥れないようなことを言ってあげる努力は必要だと思うのです。

食物アレルギーの場合も、以前卵を食べてアレルギー症状を起こしてしまったお母さんに対し、お母さんは怖くて食べさせられなかったのに、「食べないと(栄養不足になり)頭がくるくるパーになる」と言われたケースもありました。お母さんも好きで食べさせてない訳ではないのです。

また、以前も書いたかもしれませんが、卵アレルギーのお子さんに卵を与えられないお母さんに対し、幼稚園の先生が食物負荷試験のことを知っていて、そういう方法があると伝えたのだそうです。そのことをかかりつけの先生の相談したところ「自分の子じゃないから、そんな無責任なことを言えるんだ」と言われたそうです。今は、食べられるかどうか迷ったら負荷試験を行うことが推奨されていると思うのですが…。

医師が何気ないつもりで言ったことでも患者さんにとって不快なら、近年は「ドクターハラスメント(ドクハラ)」と言うようです。上記のケースがこれに当たるのか分かりませんが、もうちょっと言い方を変えた方が良かったかもしれません。私も過去に失敗はありますが、最近はアレルギーで遠くからご指名で受診される機会も多いので、技術も更に身に付けるよう勉強しなければなりませんが、その他にも言葉についても気をつけなければならないと思っています。

政治家だけでなく、医師も負けず劣らず言葉がとても大切だということなんですね。