ここ上越ではインフルエンザが流行してきており、当院にもインフルエンザで発熱した患者さんが受診するようになりました。
一方で、インフルエンザワクチンを年内に受けそびれた患者さんも来院され、ちょっと違和感のある状況になっています。本当ならもっと早く接種して頂きたいのですが、様々な事情があるものです。なるべくインフルエンザにかからせたくないという親心も理解できるので、ご希望に沿うようにしています。
以前も書きましたが、ぜんそく患者さんはインフルエンザにかかると重い発作を起こすことが多いのです。健康なお子さんに比べ、インフルエンザワクチンをなるべくなら受けて頂きたいと思っています。
12月に咳の長引くお子さんが当院を初診されました。それまでは、ある医療機関で“風邪”と繰り返し診断されていたお子さんです。話をよくよく聞いてみるとゼーゼーを繰り返しており、間違いなくぜんそくと診断されました。お母さんに「風邪ならゼーゼーすることはありません。ゼーゼーを繰り返すのがぜんそくの定義ですので、ぜんそくと診断されます。」と説明しました。お母さんの反応は「やっぱりそうでしたか…」というものでした。
その日からぜんそくの治療が始まりました。1週間後に受診して頂きましたが、「ほとんど咳は出なくなった」とお母さんも喜んで下さっていました。こどもの症状が良くなることを親は望んでいますので、私のことをより一層信用して下さるようになります。先日も受診されましたが、あれだけ咳をしやすかったのに、年末年始も何の心配もなく過ごせたそうです。
その際に、こんな相談を受けました。「これまでかかっていた小児科ではこの咳を“風邪”と診断されていました。“風邪”を引いているからインフルエンザのワクチンは打てないと言われてきました。先生、打ってもらえませんか?。」というものでした。
しょっちゅう強い咳に悩まされていたお子さんが、ぜんそく治療でその症状がよくなって私自身もホッとしていたのですが、これは悩ましい問題です。
もう周囲ではインフルエンザが流行に差し掛かっています。ワクチンを打っても免疫の付きがイマイチで、インフルエンザにかかってしまうかもしれません。痛い思いをして、お金もかけてインフルエンザにかかってしまえば損ですよね。でもぜんそくの治療を始めたばかりなので、インフルエンザにかかると発作を起こすのは間違いないでしょう。
お子さんの通う園では、今のところインフルエンザは流行の兆しもなく、なるべくならぜんそくやインフルエンザでもう苦しい思いはさせたくないというご希望があり、ワクチンの接種をすることに決めました。
もともとインフルエンザのワクチンの効果は、低年齢ほど発症の抑止効果は高くないと言われています。この患者さんの場合も、接種が遅れたのは致し方ありません。やれることをやったら、後は待つだけです。当院にかかりつけの患者さんはみんなインフルエンザにかかって欲しくないのですが、このお子さんにも何とかワクチンが効いて症状が悪化しないことを祈るのみです。


