小児科 すこやかアレルギークリニック

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対話の必要性
2009年01月19日 更新

今週の土曜は、長岡市で小児アレルギーに関しての講演を依頼されています。講演と言うとちょっと硬いですね。勉強会の講師と言った方がいいでしょう。

診療も大事ですが、困っている患者さんや幼稚園や保育園などのこどもを扱う職種の方々に正しい知識を持って頂くこともとても重要なことです。かかりつけの患者さんには申し訳ないのですが、24日の土曜日は診療を早めに切り上げさせて下さい。

時間をたっぷり用意して頂いていますので、食物アレルギーの他に、アトピー性皮膚炎やぜんそくについてもお話しする余裕があると思います。上越市では昨年も依頼を受けて講演していますし、長岡市でじっくり話すことができることを楽しみにしています。

今回強調したいことは、まず“診断をつけなければ何も始まらないということ”に尽きると思います。

「食物アレルギー」は、アレルギー検査のみで診断されている患者さんは少なくありません。勘違いしてはいけません。実際に食べてアレルギー症状が出たものを“食物アレルギー”と診断するのです。アレルギー検査で反応が出ていても、食べても何ともなければ除去する必要はないのです。

アレルギー検査が陽性であれば、何らかの症状を起こす可能性が高まります。いま書いたように“可能性”なのです。シロクロ付けるためには「食物負荷試験」しか方法はありません。こうやって診断がつきますから、その食品を除去する必要性が明確になるのです。また成長とともに食べられるようになる確率が増すので、やはり「食物負荷試験」で食べられるようになったか、まだ食べられないかをハッキリさせなければなりません。ダラダラと除去を続けるのは、患者さんが可哀相ですし、苦痛以外の何物でもないでしょう。これが食物アレルギーのエッセンスです!。

「アトピー性皮膚炎」も、乳児湿疹や乾燥肌と診断されているケースが多いです。アトピーよりも軽くみられているので、治療不足になってしまう。結果、痒みや皮膚症状が改善しないということを繰り返す患者さんが少なくありません。正しく診断ができれば、次の一歩を進むことができます。

日本アレルギー学会は、症状が軽くなければステロイドを中心に据えた治療を推奨しています。中途半端に使用されていることもありますが、医師の指示だったり、患者さんの誤解に基づくものだったりします。やはり、プロである医師がステロイドの使い方を充分患者さんに指導する必要があります。説明不足、理解不足がアトピーを悪化させているのかもしれないと思う場合もなくはないのです。これがアトピー性皮膚炎の対応のポイントでしょう。

「ぜんそく」も風邪と同じ咳の出る病気です。3~4週間咳が続いているのに、風邪と診断されているケースもあります。シンプルに考えて、風邪の咳が1か月近くも続くものでしょうか?。多くはそうではないですよね。何度も風邪薬を飲んで効かなけば“風邪でないんではないか?”と考えるのはおかしなことではありません。ぜんそくの咳に風邪薬は効かないことが多いのです。

ぜんそくの咳は、なるべく早く改善させなければなりません。咳を繰り返すことで、重症化してしまうことが多いからです。「大きくなれば治る」という医師もいるようですが、専門医の間では5~6割程度と言われています。的確に診断して、治療して咳や発作を起こらないようにする姿勢が求められるのです。

今まで書いてきたことは、この場で私がよく強調していることの繰り返しではあるのですが、キチンと診断されて初めて適切な治療へと進むことができます。親御さん並びにこどもを扱う職種の方々は、医師よりも現場を見ているはずです。つまり、食事の際に卵や乳製品を除去する苦労を体験しているし、血だらけになって皮膚を掻く姿、咳込んで苦しんでいる姿を見ていると思うのです。逆に言えば、医師は診察室での数分しか見ていないとも言えるのです。

ですから、家や園での現場にいる方々にもアレルギーの基本的なことや症状が出たときの対処法を知っておいて頂く必要があるのではないでしょうか?。そういった理由から、長岡市から当院に声をかけて下さった関係者の方々には感謝していますし、小児科医として的確なアドバイスを送りたいと思っています。

私が開業して間もないから経験があまりないだけなのかもしれませんが、これまでは小児科医と幼稚園や保育園という現場には“直接対話”があまりなかったように思います。今回も講演の後に、さまざまな質問をお受けするつもりです。日々思っている疑問を解消するチャンスだと思います。

これがきっかけとなり、対話する機会が増えればいいと思っています。私自身は、いつでもその用意はできています。