当院は小児科ですので、アレルギーの患者さんだけでなく、感染症のお子さんも受診して下さいます。
ニュースでも話題になっていますが、今年はインフルエンザの流行が早いと言われています。昨年は開院したばかりで、インフルエンザの患者さんは多くなかったのですが、今年は多くの患者さんに当院をご利用頂いています。
先日、周囲でインフルエンザが流行中というお子さんが、39度の発熱で当院を受診されました。当然、インフルエンザを考えなければいけません。案の定、鼻水を調べさせて頂くとインフルエンザAという結果が出ました。
タミフルは10代以上の未成年は使用が制限されています。お子さんは、9歳以下でしたので、使用は許されています。ただし、異常行動は発症2日以内に多いとされていますので、2日間は目を離さないことが推奨されています。これらのことを親御さんに説明し、了解を頂きました。
その後、意外なことをお母さんから言われました。「前行っていた病院では、こどもがインフルエンザにかかるとおじいちゃん、おばあちゃんも家族全員が薬を出してもらっていました。先生のところでも出してもらえますか?。」というものでした。
インフルエンザは大人でもかかると、寝込むくらい強烈で、しかも感染力の強い病気です。家族にうつる可能性が高いので、抗インフルエンザ薬を出されていたのでしょう。ある意味、親切と言っていいのかもしれません。
しかし、現在の保険診療では“予防投与”という形の処方は認められていないと認識しています。私の認識が確かであればです。病気があるから治療がある訳です。同じ屋根の下に住んでいても、必ずしもうつるとは限りません。「念のため」なんて言っていると、幼稚園や保育園に通うこども全員に薬を処方したり、地区の人みんななんてことになってしまいます。際限がなくなってしまいます。医院は潤うかもしれませんが、ちょっと過剰な対応かなと思います。
ちなみに例外はあり、私の知識の中では65歳以上の老人、心臓病、腎臓病、糖尿病などの慢性疾患をお持ちの患者さんのみに“予防投与”が認められていると思います。副作用の全くない100%安全な薬なんて存在しません。ですから病気を発症してから、その病気に対する薬を服用するのが基本だと思います。
お母さんはちょっと期待されていらっしゃったかもしれませんが、丁重にお断りました。理由もちゃんと説明し、ご理解を頂きました。当院は、これからもルールの上に立った基本に忠実な診療を行うことを目指していこうと考えています。


