先週の土曜日のこと、長岡市で園の先生方を対象に小児アレルギーに関する勉強会の講師を務めさせて頂きました。
時間は1時間半を充てて頂いていました。当初は食物アレルギーをお話ししたいと思っていました。それは、やはりアレルギー検査で判断されているケースが多いと思うので、それでは的確な食物アレルギーの診療が難しいからです。
でも、主催者から折角ならアトピー性皮膚炎やぜんそくについても話をして欲しいというご希望がありました。3つの病気を丁寧にお話ししたら3時間程度は必要です(汗)。1時間半となると、圧倒的に時間が足りません…。でも、3時間も話させてもらえる講演というのもないですよね。私自身はノンストップで話し続ける自信はありますが、現実的には中々そうはいきません。
そこで、優先順位を付けさせて頂きました。食物アレルギーの専門的医療を行っている小児科医は極めて少ないのが現状ですし、食物アレルギーは個人的にも力を入れています。これをメインに据えなくてはなりません。その次はアトピー性皮膚炎でしょう。ぜんそくよりもキチンと診断されていないケースが多いように感じています。また治療不足で、掻爬行為を繰り返しているお子さんも少なくありません。
講師控え室で園の先生から実際に話を伺ってみると、アレルギー検査が低下してくると、自宅で食べるように指示されているケースもあるようです。一度でも、卵や乳製品を食べさせて、全身に蕁麻疹が広がったりすると、親御さんは大きなショックを受けると思います。いくら検査の値が下がってきて主治医の指示とはいえ、自宅であげることなんてとてもできないと思います。
患者さんは素人です。素人で食べられるかどうか分からないから、プロである小児科医に相談しているのです。それを自宅で食べさせるというのは、責任転嫁にならないかと心配になります。やはり医師が答えを出してあげる必要があります。患者さんに危険を負わせるのでなく、医師の目の前で食べさせる「食物負荷試験」によって食べられるかどうかシロクロを付けてあげるべきでしょう。
それに先立ち、アレルギー検査が加齢とともにいかにずれてくるかについてもお話ししました。つまり0歳児は「検査が高い=食べられない」と言えますが、この構図が成長とともにずれてきます。つまり、アレルギー検査が徐々に当てにならなくなってくる、と言えるのです。この辺は力を入れて説明したので、ご参加の先生方もだいぶ理解が進んだものと思われます。
アトピー性皮膚炎の診断のポイントもお話しできました。診断自体はコツさえつかめば簡単に行えるので、園の先生方も皮膚症状が悪く、痒みの強いお子さんの親御さんに対し「アトピーかもしれないので、病院でよく診てもらって下さい」というアドバイスが行えると思います。
ぜんそくも、どういう症状がみられればぜんそくが疑われるか、どういう症状でどの薬を使うことを小児アレルギー学会が推奨しているかなども説明しました。
途中、休憩を挟むつもりでしたが、結局1時間40分話続けました。私自身、人前で話をするのはかなり苦手ですが、アレルギーで困っているお子さんが多いので、こういう講演を依頼されたり、院内勉強会で話す機会も少なくなく、どこを強調すべきか、どう説明すると理解しやすいかを少しは分かっているつもりですので、あまり退屈させることなく講演を終えることができたと思います。
最後にお願いもしてきました。私の話を聞いて、参加者の先生方が「これは保護者の方にも聞いてもらいたい」と思えば、ドシドシ声を掛けて下さいというお願いでした。小児アレルギーは医師の知識で指導が変わってくることも往々にしてあり、「食物負荷試験」の存在も知らない方があまりにも多いので、私は県内の食物アレルギーでお困りの患者さん全てに知って頂きたいのです。そのためには、こういう勉強会で地道に広めていくしかないと考えています。
新潟県のこどものアレルギー医療のレベルアップを図ることが私の“夢”ですが、これを現実にするために私も頑張らなければならないと思っています。


