小児科 すこやかアレルギークリニック

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モゾモゾ
2009年02月07日 更新

当院には、赤ちゃんから少数ですが成人まで幅広い年代のアトピー性皮膚炎の患者さんが通院されています。

共通しているのは、どの患者さんも相当に痒がるということ。診察中も掻きまくり、皮膚から血がにじんでくることもあります。健康な方には分からない痒みは相当に辛いことだろうと想像できます。

ある医療機関にかかっていた生後半年くらいの赤ちゃんが、湿疹が改善しないと当院を初診されました。診断については「体の中から出ているものかな~?」というものでした。服を脱いでじっくり診察してみると「アトピー性皮膚炎」と判断されました。診断の根拠もお示しし、お母さんにも理解して頂きました。

こんな低年齢の赤ちゃんでも、顔から体にかけて掻いています。とても痒そうです。いつもお話ししている通り、“診断”があるから“治療”に進める訳です。アトピーのガイドラインでもステロイドを適切に使って、皮膚症状を落ち着けることを推奨しています。

ステロイドに警戒心をお持ちの親御さんも少なくなく、ステロイドのついても充分時間をかけて説明しました。この説明から“治療”がスタートすると言っても過言ではないでしょう。2回ほど通院して頂き、皮膚症状がかなり落ち着いてきました。お母さんも「だいぶきれいになりました」と嬉しそうにおっしゃいます。

アトピー性皮膚炎の場合、私が改善させるべきと心掛けていることは、“見た目”と“痒み”です。

“見た目”とは、乳幼児のアトピーは顔に出ることが多いので、服を着ていても顔に赤い湿疹があると、たいていのお母さんが外出時に相当に気にしています。気にならないはずがありません。治療で顔がきれいになってくると「もうあまり気にしなくていいね」と声をかけると、「ホント、そうですよねー」と返ってきて、こちらまで嬉しくなります。

“見た目”が一時的によくなっても、ボリボリ掻き壊すことにより皮膚症状が元に逆戻りなんてこともあります。ですから治療により“痒み”も抑える努力が必要です。ステロイドで皮膚の炎症を抑えると、それにつれて“痒み”も改善してくるものです。皮膚をいい状態に安定させることが、アトピー性皮膚炎の治療のコツなのです。

先の赤ちゃんですが、“見た目”はよくなりました。「痒みはどうですか?」と伺うと「そういえば手で顔を掻かなくなりました。あと、体をモゾモゾしなくなりました。」とのことでした。

実は、こんな赤ちゃんでも体が痒かったので、体をモゾモゾと動かして体を布団にこすりつけて、掻こうとしていたのでしょう。治療により、その行為がアトピー性皮膚炎の痒みに基づくことが明らかになりました。

赤ちゃんは相当に痒いのに、「ママ、痒いよー」とは言えません。周囲の大人が、モゾモゾと体を動かすことを赤ちゃんからのSOSだと気付かないといけないと思うのです。

特に言葉をしゃべれない赤ちゃんの場合は、これからもこういったSOSのサインを見逃さずに的確に治療できるように努力していきたいと思っています。