小児科 すこやかアレルギークリニック

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風邪薬が効かないようだから
2009年02月10日 更新

週末は、県内外から小児アレルギーの専門医が集まる会合があり、参加してきました。

県内のアレルギー専門医の他に、県外からも大学のアレルギー班で日頃から研究されている先生方も大勢集まりました。すべての先生がアレルギーにこだわって診療している先生方なので、全員が同じ志を持っており、良心的でハイレベルな医療を行っていらっしゃると思います。

ちなみに、私がよく話題に上げる喘息のガイドラインを作成した日本の第一人者の先生が6人も参加されていました。日頃から疑問に思っていることを直接そういった先生方にお聞きすることもでき、私にとってもいいチャンスなのです。とても勉強になる話も多くて、私自身まだまだ知らないことが多いんだと思い知らされました。

ぜんそく治療は、ガイドラインの普及により進歩しています。小児ぜんそくの死亡率は世界に誇れるレベルに達するに至っています。一方で、会合の中で一部にこういう意見も出ていました。ぜんそくの薬を適正でない使い方をするケースがあるということです。

患者さんは症状があり日常生活に支障をきたすために、医師を頼って受診されます。医学は科学です。いつも言っている通り、まず何という病気かを見つけ出さなければなりません。各病気には、それぞれの重症度に見合った有効な治療法があります。診断なくして次のステップである治療には進めないはずです。

先日、当院を受診された患者さんはこんなことをおっしゃっていました。ある医院で咳の治療を行っていたそうですが、改善が思わしくなかったとのことです。「風邪薬が効かないようだから、プランルカストでも使っておきますか」とプランルカストという抗アレルギー薬を追加処方されたそうです。

プランルカストという薬は、ぜんそくの薬です。残念ながら、ぜんそくであるという根拠の提示もなかったそうです。先日も「ぜんそくっぽい」と言われていて、重症のぜんそく患者さんに使われるべきフルタイドという吸入薬が処方されていました。

確かにガイドラインでは、プランルカストやフルタイドの使用を推奨しています。ただし、例えばプランルカストについては、ゼーゼーやヒューヒューといった喘鳴を1か月に1回以上繰り返す「軽症持続型」以上で使われるべき薬です。咳の長引くその他の感染症や鼻が引き金で咳が長引くケースもあります。それらを否定した上で、ぜんそくで間違いなかろうとして使うのなら分かります。風邪薬が効かないようだからと、付け加える薬ではないと思います。

私自身は、アレルギー専門医としてプランルカストのような抗アレルギー薬は必要な患者さんに必要な期間使わせて頂くという適切な使い方を心掛けているつもりです。医師は、患者さんの症状を改善させるために努力すべきです。良くならなければ、診断が正しいか考え直したり、治療を見直す努力は必要ですし、それはプロとして当然のことでしょう。そして、治療法を変えるのなら、患者さんにその根拠を示し、使う薬について充分に説明すべきでしょう。

プランルカストやオノン、キプレス、シングレアなどのロイコトリエン受容体拮抗薬は正しい使い方をすれば、とても有効ないい薬だと思っています。しかし、中には安易と言っては失礼かもしれませんが、風邪薬の如く処方されているケースもあると聞いたことがあります。

そもそも患者さんにとって、理にかなった治療が行われる目的で作成されたのがガイドラインだと私は理解しています。基本に忠実に使って、患者さんに還元されるべきものだと思っています。小児ぜんそくのガイドラインがキチンを理解された上で的確に使用され、患者さんの症状を和らげるための適切な治療が行うために利用されることを願っています。