いつも言っていることですが、アレルギーは慢性の病気ですので、風邪やちょっとした湿疹と同格に扱われるような病気ではありません。
先日、午前中の最後に受診された新患の患者さんは、ある医療機関で乳児湿疹と卵アレルギーと診断されていました。お母さんは一生懸命通院されていたそうです。一向に良くならなかったので、ご両親で当院を受診されたそうです。
普段は、お母さんがお子さんを連れてくることが多いのですが、お父さんも来られると私も腕の見せどころ。キチンと説明して、ご両親に一度に信頼して頂くチャンスと考えています。正しく診断して、「ガイドライン」通りに適切な治療を行って期待に応えたいと思いますし、アレルギー専門医は一般の先生よりはより多くの技術を持っていますから、それを示したいとも思います。
その患者さんを診察させて頂くと、乳児湿疹ではなく、アトピー性皮膚炎でした。過小診断により治療が過小になっているケースがあまりに多いので、診断は丁寧に適切に行わなければなりません。もちろん診断の根拠も示します。診断根拠があいまいだと、親御さんの信頼が得られないと思うからです。もちろん治療についても時間を気にせず、説明しました。ステロイドやその他の薬に対する不安をキチンと取り除いておかないと、治療効果にも関係してくるのです。
アトピーの話がだいたい理解していただけたら、今度は食物アレルギーの説明に入りました。卵アレルギーと説明されていましたが、卵は食べていないので卵アレルギーと診断は当たりません。卵アレルギーの疑いが正しいのです。
にもかかわらず、卵はお母さんも食べてはいけないと説明されていました。このお子さんは乳児湿疹と診断されていたのに、なぜそういう指導になったのか不明です。別の機会に触れようと思っています。
また、意外なことに一生卵が食べられないと思っている親御さんは結構多いのです。でも卵アレルギーの赤ちゃんの話を聞いても、卵アレルギーの大人ってまず聞きませんよね?。治ることが多いことを物語っていると思います。また「食物負荷試験」の話もしました。「いずれ医院で食べてもらいいて、食べられるかどうか確認します」と言うと、大抵の親御さんはホッとした表情をされます。
アレルギーの患者さんはぜんそくにアトピーを合併していたり、アトピーに食物アレルギーを見られることが多いので、説明に時間がかかります。この患者さんにも気合いを入れて話していたら、35分かかってしまいました。
前医と診断が異なったり、治療が変わったりすると、より多くの説明の時間を割かないといけません。エネルギーも必要になります。アレルギー専門医は、正しい診断と治療で患者さんの病気を改善させる方向へ導くのが仕事だと思っています。時間とエネルギーは気にしても仕方ないと思っています。充分説明が聞けたと納得して頂けると、自分でも「いい仕事したな~」と思います(笑)。
その日の午後に遠方からぜんそく、アトピー、食物アレルギーの患者さんが来られました。相当に困っていらっしゃったので、じっくり時間をかけて説明していたら57分が経っていました。我ながら時間がかかってしまいましたが、この患者さんの場合は、逆にかけなければならない患者さんでした。
こういった外来をやっている医院はなかなかないでしょうが、これが当院の個性だと思っています。一旦信用して頂くと、その後もずっと通院して継続治療される方がほとんどです。上越市内や県内にはアレルギーでお困りの患者さんが大勢いらっしゃると思います。こういう診療スタイルをしたアレルギーにこだわった小児科医がいることを知って頂けたらなと思っています。
自分としては、どの患者さんにも全力でぶつかっているつもりです。「こんなに説明したもらったのは初めてです」とよく言われますが、説明のない、もしくはほとんどない医療ってあっていいのでしょうか?と逆に思います。プロとして当然のことをしているまでだと思っています。これからも患者さんから信頼される医療を実践していきたいと考えています。


