当院は、アレルギー専門医としてスタンダードな治療を心掛けています。
インフルエンザの流行期に「食物負荷試験」を一時的に休止していましたが、以前も書きましたが4月から再開しています。
アレルギー専門の医院はこれまで地元にはなかったので、少しずつ当院の知名度が上がってきたようです。ぜんそく、アトピー、花粉症、じんましんのほかに食物アレルギーの患者さんもかなり増えてきました。
食物アレルギーの患者さんが初めて受診されると、“真実”を知って頂こうと全エネルギーをこめて説明しています。食物アレルギーの診断はアレルギー検査だけではできないこと、皮膚テストも有効な手段であること、しかし結局は「食物負荷試験」でなければシロクロをつけられないことなどを話しています。どの患者さんも「食物負荷試験」って初めて聞きました、と驚いた反応を示されるます。
私が特殊なことをやっていると思われたくないので、小児アレルギー学会が作成した食物アレルギーのガイドラインを開いて、「食物負荷試験」がスタンダードな検査であることを強調しています。
ほとんどの患者さんが、「家で少しずつ食べさせてみるように。具合が悪くなってもいいように平日の日中に食べさせてみて。」と言われています。以前、アレルギー症状を起こしてしまうと、親御さんは怖くて食べさせることができないでいます。これはもっともな不安だと思います。素人の患者さんをそんな不安や危険な目に遭わせないようにするのが“プロ”なんだろうと私は考えています。
そういう患者さんを救い、真実を明らかにするのが「食物負荷試験」と考えて頂いて構わないと思います。一部の専門医の間で、当たり前のように行われています。
2年前に私を頼って、上越から私の前勤務地の柏崎の病院に食物アレルギーでかかっていたお子さんがいました。その当時、卵を完全に除去していました。私は完全に除去する必要はないと判断しましたので、「食物負荷試験」を勧めました。やはり親御さんは「そんな検査は聞いたことがない」という反応でした。しかし、「是非ともやってみたい」と検査を希望されました。
卵焼きで負荷試験を行いました。1/6個食べたところで、「口の中が痛い」と言い出し、咳も聞かれました。15分後には口の周りに細かい蕁麻疹が出始めました。ここで卵料理はまだ食べられないであろうということが分かりました。
それから1年半が経ち、機は熟したとみて再度卵焼きを使い、「食物負荷試験」を行いました。さすがにこちらも緊張します。少しずつ食べさせてみますが、症状は出ません。心配しつつも、最終的には卵1個を使った卵焼きを完食しました。“リベンジ達成”です。
やっぱり努力は報われるべきだと思います。お母さんもずっとご苦労されて卵製品を制限してきたので、大喜びするというよりは、「ようやくこの時が来た」といった安堵感が勝っているようでした。自分で言うのも何ですが、私が関わっていなければ、いつ食べられていただろうと不安になります。私はお母さんのホッとした嬉しそうな表情を見るのが好きです。「食物負荷試験」をやっているからこそ、アレルゲンに挑戦するし、こういう経験ができるのです。
当院のホームページはアレルギーに特化した内容を書いていますが、全国のアレルギーでお困りの患者さんも読んで下さっているようです。食物アレルギーで強いアレルギー症状を起こしても、こうやって食べられるようになる可能性が高いのです。少しでも勇気づけられればいいなと思っています。
お子さんの食物アレルギーが改善する日を夢見て、信頼できる小児科医(家から遠くても、「食物負荷試験」をやっているアレルギー専門医)のものでキチンと管理して頂きたいと思っています。


