先日、湿疹が治らないと当院を初診された赤ちゃんがいました。
前医では乳児湿疹と診断されていましたが、一見してアトピー性皮膚炎だと分かりました。最近よく言っている過小診断、過小治療で良くならないパターンです。
通院しても良くならないのと、知人の勧めで当院に受診されることが多いので、すんなり私の方の診断を受け入れて下さるのですが、我流の診断をしていると思われたくないし、親御さんとアトピー性皮膚炎のガイドラインの診断基準を満たしているか、一緒に確認して頂いています。
アトピーであることを納得して頂くと、慢性の湿疹なのでよくなったり悪くなったりしてもそれが本来の流れです。つまり治療に焦りは禁物なのです。大抵がそう説明されていないので、良くならないと小児科や皮膚科を転々とされるように思っています。とにかく様々なことを説明をする時間を惜しんではなりません。
アトピーが重症だと、可哀想なことにぜんそくを合併する頻度が結構高いのです。6か月くらいの赤ちゃんでぜんそくを合併することはまだ少ないのですが、念のため、こういう症状が見られたらぜんそくが疑われますと説明した途端、「うちのお姉ちゃんの症状が、そのまま当てはまります」と言われてしまいました。予想もしない展開に私も少々面食らってしまいました。
お姉ちゃんも、ある小児科を受診していたそうですが、咳き込む度に受診しても“風邪”と診断されていたそうです。これも時々書いていることですが、ぜんそく症状に“風邪薬”を使っても改善することはまずありません。一度悪くなり始めると、薬をもらってもいつもすぐには症状が良くならなかったそうです。つまり、ぜんそくについても過小診断過小治療だった訳です。
「お母さんはこれまでお子さんよりも長く生きているのに、ゼーゼーしたことないでしょ?。普通はゼーゼーはしないものですよ。」というと「いつも自信満々に“風邪”と診断されていたので、信用していた」と言われました。「アレルギー科」を名乗るのであれば、アトピーやぜんそくの診断は的確に行えないといけないと思います。
以前から、医師は科学的根拠に基づいた医療(EBM)をすべきだと言っています。繰り返す症状で患者さんを悩ます病気と真摯に向き合えば、キチンと根拠のある診断を行い、根拠のある治療を行わざるを得ないと私は思っているのですが…。
“乳児湿疹”や“風邪”は一般的には慢性の経過を辿りません。そう診断されて治療してもあまりに改善の兆しがない場合は、親御さんの方も「果たして診断が正しいのだろうか」と疑問を持つ必要があるかもしれません。私の経験を言わせて頂くと、診断が正しければ、重症度に見合った治療が行われれば1週間もあれば、症状は確実に軽快します。もしかしたら慢性の病気が隠れているのかもしれません。ご心配の方は是非ご相談下さい。


