当院には、食物アレルギーの患者さんが上中下越の各地から受診して下さいます。
アレルギー検査の結果は信じ過ぎてはいけないと常々言っています。実際の私の経験ですが、卵白が6という一番高い値でも、卵焼きを食べて何ともないというケースもあるのです。これは例外的としても、2や3なら結構食べられます。「食物負荷試験」というファイナルアンサーの検査をする技術を持っていないと、アレルギー検査しか判断の手段を持ちませんので、オーバーな除去を指導しがちになります。
以前も書きましたが、その他に過去の摂取状況を聞くのも的確な制限や除去をするにはとても重要なことと言えます。
先日、東京から越してきた患者さんはかなり重い食物アレルギーをお持ちでした。2年前のアレルギー検査の結果を持って、この春から通園する保育園にアレルギー食の相談に行ったら、あまりの除去品目の多さに、「すこやかアレルギークリニックで何が食べられて何が食べられないのか、判断してもらってきて下さい」と園の先生から当院の受診を勧められたそうです。
この約2年の間にアレルギーの専門医から食事の指導を受けていなかったので、申し訳ない言い方になってしまいますが、かなりアバウトな制限になっていました。昔の検査は調べた食品のほとんどが陽性でしたので、もう一度検査させて頂くことにしました。
以前高かった食品を選んで検査をしてみたのですが、結果を見てみると全般的に数値は低下傾向にあるものの、全項目陽性でした。普通の小児科の先生なら「まだどれも食べてはいけない」と判断されるような結果でした。
この患者さんは、2年前には卵も乳製品、小麦、大豆、ピーナッツ等々どれも食べてはいけないと指導されていました。しかし、月日の経過とともに少し食べられるものが増えてきており、卵はや乳製品、小麦、大豆などもある程度食べている状況でした。検査が陽性であっても、食べて症状が出ないということを重視すべきです。それは検査しなければ、気にせずに食べていたでしょうから。
多分、親御さんは最初に園にアレルギー食の相談に行った時は、卵や乳製品、小麦、大豆、ソバ、ピーナッツ等を除去してもらおうと思われていたはずです。しかし、当院に来られてアレルギー検査は、調べたどの食品のほとんどが立派な陽性でしたので、あまり解除の参考にはなりませんでした。結局、丁寧な問診により卵も乳製品も小麦、大豆も食べられることが判明したので、ソバとピーナッツ程度の除去を園側にお願いすれば良いことが分かりました。
これはお子さんにも、親御さんにも、園側にもメリットのあることです。すなわち、無駄な除去を続ければお子さんの栄養不足につながります。親御さんにしてみても卵も乳も小麦も除去というのは相当に大変なことです。それがないだけでもかなり楽なはずです。当然、保育園でも除去するアレルゲンの数が少ないほど、給食を作る手間も省け、除去品目が少ないだけで誤食のミスも減るはずです。
かかりつけの先生が、アレルギー検査を見て除去を判断されている場合は、専門的な問診や「食物負荷試験」などで制限を減らすことができる可能性があります。是非とも当院にご相談頂ければと思っています。


