小児科 すこやかアレルギークリニック

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診断が合っていても…
2009年04月20日 更新

アレルギーは、的確に診断されないと過小治療になり、一向に症状が改善しないことが多いと繰り返し言っています。これは当たり前のことですよね?。では診断が合っていても、重症なのに軽症の治療をされていればどうなると思いますか?。

先日、普段ある医療機関で治療を受けているお子さんが、当院を受診されました。

ゼーゼーが1か月に1回どころか、1週間に1回の割合で繰り返されていたそうです。これをお読みの方は医師でなくても、結構重いのは理解できると思います。

ゼーゼーをこれだけの頻度で繰り返しているのにも関わらず「ぜんそくっぽい」と診断されていました。ぜんそくと確定診断されていないのに、ぜんそくの治療がなされていました。具体的にはオノンやプランルカストのようなロイコトリエン受容体拮抗薬と言われる軽症のぜんそく患者さんに推奨されている薬剤が連用されていました。

ロイコトリエン受容体拮抗薬は、軽症ならとても効果のある薬です。それを飲んでいても、1週間に1回の発作が起きていたのです。冷静に考えると、治療が足りていないから発作が止まらないのだと考えられます。

以前、「軽症持続型」の説明をしました。1か月に1度の割合でぜんそく症状が出るものを指します。更に重いパターンで1週間に1回発作がみられるのを「中等症持続型」と言います。しかし、これは治療を何もしていない状態のものを指します。先の患者さんはロイコトリエン受容体拮抗薬を使っていても、1週間に1回の発作があるので、「中等症持続型」とは言わずに、更にワンランク重い「重症持続型」という診断がついてしまいます。

一般的に「重症持続型」の場合、ロイコトリエン受容体拮抗薬だけでは治療は追っ付かないと思います。つまり、病気が重ければしっかり改善させるだけの力がないという意味です。

だいぶ前にも触れましたが、ぜんそくのお子さんがあるアレルギー科の医院で治療をしていて、最初は「間欠型」という最も軽い病状だったのが、その都度の治療を繰り返していたがために「軽症持続型」、「中等症持続型」、「重症持続型」まで徐々に悪化して、3歳のお子さんが苦し過ぎて息継ぎをしなければしゃべれなくなったケースを紹介したと思います。もっと早い状況で入院治療に切り替えなければいけないのに、10日以上点滴に通院させるという対応がなされていました。ちなみに、最終的に私の以前勤務していた病院に1か月ほど入院しなければなりませんでした。

ぜんそくの治療は、目先の発作を治療するだけでは充分な対応はできません。“流れ”を見なければならないのです。アレルギー専門医は、ぜんそくの患者さんが初めて受診されると、発作の頻度を確認しています。確認しなければ、治療薬を選択できないですよね。

私のよく言う「ガイドライン」は、まさにこのことが書いてあります。これだけの頻度で症状がみられていれば、この薬を使うのがお勧めで、それでも安定しなければ別の薬を足して経過を追うように丁寧に示されています。私の経験では、「ガイドライン」通りに治療して症状の改善しない患者さんには、まず出会ったことがありません。ある研究によると、小児科医の9割以上がこの「ガイドライン」を参考にぜんそく治療をしていると答えているのですが…。

他にも1週間に1回ゼーゼーいっているお子さんはいませんか?。1か月に1回の割合で強く咳き込んでいるお子さんはいませんか?。ぜんそくと診断されていなかったり、されていても、これだけの頻度で症状がみられるのは、病状を見直す必要があるでしょう。そうしなければ、発作や咳込みを繰り返し、ぜんそくは重くなっていくのです。悪循環を断ち切るには、“早めに病状に合った適切な治療をする”ということに尽きます。

咳の長引くお子さんは、「ガイドライン」をキチンと理解した医師が対応すべきだと思っています。ご心配な方は、当院も含めたアレルギー専門医に相談された方が良いかと思います。