小児科 すこやかアレルギークリニック

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検査し過ぎると
2009年04月21日 更新

先日、中越のある街から食物アレルギーの患者さんが初めて当院を受診されました。

地元の小児科で診てもらっていたそうですが、何が食べられて、何が食べられないか分からないと当院まで来られたのです。

これまでのかかりつけでアレルギー検査が行われていました。ここ数か月で3回行われていましたが、1回につき10項目以上の食品をチェックしていました。結果はほとんどがクラス2以上の陽性でした。

お母さんは、調べるほどに追いつめられていました。どういうことかと言うと、アレルギーの体質が強いので、調べれば調べるほど「あれも食べられない、これも食べられない」と説明され、追い込まれていたのです。

前主治医の先生も当然悪気はないのですが、検査を続けていました。お母さんの気持ちを考えるとアレルギーの専門医に紹介すべきだったと思います。結果的に、お母さんは何か食べさせたくて仕方ないのに、食べられない可能性のあるものがどんどん広がっていき、お母さんの思惑とは逆の方向に進んでしまっていたからです。

以前から言っている通り、アレルギー検査の値が高くても食べられることは少なくありません。それは専門医ならば「食物負荷試験」で確認することができるのです。例えば、小麦や大豆はクラス2でしたが、食べられていました。前主治医にダメも言われているものの中にも、食べていいものはあるはずです。

一般的に多項目が陽性の場合は、アレルギー専門医に紹介するように勧められています。その理由は今回のケースでお分かりだと思います。つまり、アレルギー検査は、そのアレルゲンを食べられるかどうかを示す指標にはなり得ないため、結局のところ「食物負荷試験」で判断するしか方法はないのです。何が食べられそうかを判断する「食物負荷試験」のためにアレルギー検査を行うのなら、よかったと思います。ただ、この街では「食物負荷試験」を実施している施設はないと把握しています。

今回の患者さんのお母さんは、だいぶ疲弊されていました。食事の度に緊張し、これまで食べられないと指摘されたものを食べないようにしているだけで、誰でも疲れ果てると思います。

アトピーもあるので、まず皮膚を改善させなくてはなりません。それに関しても、前医では説明が不足しており、お母さんは食べ物のみが悪化要因だと信じ切っていました。皮膚の状態が治療不足で良くなっていないのを、食べ物が原因だと思ってなかなか食事が進まないお子さんを時々見かけますが、医師の説明不足が大きな理由として挙げられると思います。一度、そう信じ切ると誤解を解くのに大きなエネルギーを要します。

お母さんの誤解を解きつつ、皮膚を適切な方法で治療し、「食物負荷試験」で何を食べられ、何が食べられないかを明確にしていきたいと思っています。時間もエネルギーもかかるでしょうが、お子さんのために頑張っていかなければならないと思っています。