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トータルアラジスト
2009年04月28日 更新

アレルギーの病気は、体のいろんな部分に出ます。

「アトピー性皮膚炎」は皮膚科、小児科、「アレルギー性鼻炎」は耳鼻科、小児科、「アレルギー結膜炎」は眼科、小児科、「ぜんそく」は内科、小児科、「食物アレルギー」は内科、小児科が対応すると思います。アレルギーの病気は、アレルギー体質の強い人に重ねて見られることが多いですから、場合によっては皮膚科、耳鼻科、眼科、小児科(内科)という具合に4つの病院や医院を回らなければなりません。患者さんにしてみれば、これだけでもハードスケジュールになります。

先週末に恩師の退官記念講演がありました。恩師は現・日本アレルギー学会の理事長をされていますが、この6月にお辞めになります。次期・日本アレルギー学会の理事長も内科の先生ですが、既に決定しています。恩師の講演に先立ち次期理事長の講演もありました。滅多に聞けない豪華リレーです。

次期理事長の話の中で、日本アレルギー学会の専門医に関する話がありました。ちなみに私も日本アレルギー学会が認定する専門医の資格を持っています。全国に何人か忘れましたがアレルギー専門医がいますが、日本の人口で割り算数すると10万人の1人の割合になるそうです。一方、現在の日本は国民の3人に1人が何らかのアレルギーを持っていると言われています。アレルギー専門医がいかに少ないかがお分かりだと思います。

アレルギーの専門医は、例えば耳鼻科の先生はアレルギー性鼻炎を、皮膚科医はアトピーを診ています。普通はぜんそくや食物アレルギーなどの他のアレルギー疾患は診ない訳です。あわよくば内科医が大人のアレルギーを、小児科医が子どものアレルギーを幅広く診られればいいのですが、対応し切れていないのが現状でしょう。

次期理事長の先生の講演の中で、「トータルアラジスト」の育成をしたいというお話がありました。「アラジスト」はアレルギーの専門医を指しますので、幅広くアレルギーを診ることのできる医師を「トータルアラジスト」と言います。私の恩師も「これからのアレルギー専門医は「トータルアラジスト」でなければならない」とおっしゃっています。

私が目指しているのは、まさにこれです。平成13年に福岡で修行させて頂いた時は主にぜんそくの勉強をさせて頂きました。アトピーや食物アレルギーも勉強は学んできましたが、小児ぜんそくほどには実力を付けるには時間不足でした。それで平成18年に二度目の修行をさせて頂く訳ですが、この時はアトピーと食物アレルギーをメインに据え、どん欲に学ばせて頂きました。

まだ自分のことを「トータルアラジスト」と言うほどおこがましくはありませんが、アトピー性皮膚炎を診断し、皮膚症状を落ち着かせるような外用薬を選択し、食物アレルギーでは専門的知識を持った上で「食物負荷試験」を行い、アレルギー性鼻炎では抗アレルギー薬と点鼻薬を、アレルギー性結膜炎では抗アレルギ―薬と点眼薬を考えながら使用しているつもりです。

当院では、ぜんそくとアトピー、食物アレルギー等を合併しているお子さんを大勢診ていますが、子どもの成長を見守りながら一人の医師がアレルギーの専門的知識を駆使して対応するのが望ましいと考えています。親御さんから信頼を受け、トータルで子どもの病気を診られるのは、小児科医の特権だと思います。

診療していて、時折分からないことに遭遇もしますし、多くの経験を積まなければならない等、地道な努力が必要ですが、現実問題として小児科医で「トータルアラジスト」は新潟県だけでなく全国的にも少数と思われ、目指し甲斐のあるものだと思っています。