子どものぜんそくの数は増えていると言われています。
学会でもそう報告されていますし、実際のところ、当院でも大勢のぜんそくの患者さんを診ています。
昨日、「ガイドライン」通りに治療されていない患者さんもまだ多いと書きましたが、それでもぜんそくは「ガイドライン」が少しずつ普及しているのも事実で、以前の比べると難治とされる患者さんは減ってきています。患者数は増えているけれど、重症者が減っているのです。
そんな状況下で、アレルギー専門医を悩ませているのは2歳以下の乳児ぜんそくの患者さんです。以前も触れたことがありますが、乳児であるが故の特徴や薬の反応の悪さなどの理由で、適切な治療を行ってもピタッと症状が止まらないことも多いのです。
近年、パルミコートという吸入器を使う吸入ステロイドが使えるようになって、乳児ぜんそくの治療がちょっと楽になってきました。吸入器を使うことで、薬が気管支の奥まで行き届く訳です。
ただし、吸入器は2万円以上します。患者さんのためにも、本当に吸入器が必要なのかを見極める必要があります。以前、ぜんそくかも?と診断されていて、吸入器を買うように勧められている患者さんがいましたが、重症のぜんそくのお子さんに勧めるべき治療法なのです。もう少し患者さんのことを考えてあげなければなりません。
しかし、本当に必要な患者さんにはためらうべきではないでしょう。そうしなければ、入退院を繰り返したり、呼吸困難をきたすことになります。
当院で診ている乳児ぜんそくの赤ちゃんが、先日重い発作を起こしてしまいました。ゼーゼーいって、夜もほとんど眠れなかったそうです。診察時、息づかいも荒く、肩で息をしていました。酸素の取り込みを調べると、酸素不足は明らかであり、機嫌も悪い状況でした。
点滴に通わせる医師もいますが、乳幼児がこれくらいの重い発作を起こしてしまえば、入院治療が適切な対応になります。ものを言えぬ赤ちゃんには、冷静に客観的に呼吸困難の程度や発作の重症度を見極めた上で、入院かどうかの判断をすべきです。酸素不足で苦しむ赤ちゃんを「頑張れ、頑張れ」というのは、大人の都合を押し付けるものだと思います。
結局、病院に紹介し、キッチリと入院治療して頂きました。今後は、入院を避け、ゼーゼーさせない治療を選択しなければなりません。二度と同じような目に遭わせたくないからです。入院以前も時折ゼーゼーを繰り返していたので、吸入ステロイドを使った治療が不可欠だと判断しました。
しかし、2万以上の出費につながるため、親御さんにどう切り出していいか気を遣います。この春からはこう切り出すようにしています。「この子の定額給付金は使いましたか?」
当院でお勧めしている吸入器は23000円なので、給付金だけではちょっと足が出てしまいますが、+αで購入ができてしまいます。確かに出費にはなりますが、入院をしなくなったり、症状悪化で苦しくなったり、また親御さんも心配で眠れなくなることが少なくなるので、じきに元が取れると思います。
乳児ぜんそくのお子さんで、吸入ステロイドの導入が遅いケースも見受けられますが、ゼーゼーを繰り返すことで更に悪化することが多いのです。入退院やゼーゼーを繰り返す赤ちゃんこそ、アレルギーの専門医が対応することが推奨されています。お困りの方は是非ご相談頂きたいと思っています。


