土曜の診療が終わったら、研修会の行われる会場へ行かなければなりません。
春に学校給食に携わる栄養士の方から、学校給食における食物アレルギーの基礎知識に関する話をして欲しいと依頼がありました。個人的には、昨年秋からずっと外来が忙しく、体を休める間もほとんどなかったのですが、アレルギーについて学びたい、知りたいと思っている方々からリクエストがあると、地元では唯一の小児科のアレルギー専門医として二つ返事でOKしました。
医学は日々進歩しています。また病気を持っているから我慢しなければならないというある意味押しつけは、今の時代にはそぐわないと思います。患者さんには患者の権利があるのです。患者さんのQOL(生活の質)を高めなければならない、という考え方が台頭してきています。食物アレルギーの専門医の間にも、例えば卵アレルギーがあっても、完璧に除去するのではなく、アレルゲンが少量含まれていても食べられるものは食べさせる、という考え方が広まってきています。そうすれば親御さんも大助かりだと思います。
どこまで食べられるのかを確認する最終手段が「食物負荷試験」です。「食物負荷試験」の技術を持っている医師が「食物負荷試験」を普及させようと日々頑張っています。そういう医師が全国的にも徐々に増えてきています。しかし、一般の医師の間には、全くと言っていい程広まっていないので、患者さんの間でも知っている人は知っている程度なのだと思います。
ここ上越市でも1年半前から当院が精力的に「食物負荷試験」を広めようとしています。上越の患者さんのQOLを上げるためです。同業の間ではほとんど紹介はありませんが、園や学校関係者の間では確実に広まっているようです。そして今回の講演依頼があった訳です。食物アレルギーへのこだわりが、園や学校関係者の皆さんに認められつつあることは素直に嬉しく思っています。
研修会では、スライドを50枚用意しました。食物アレルギーがなぜ増えてきたか、どれだけの頻度であるのか、どんな症状が出るのか、最重症のアナフィラキシーショックの時の症状、どんなアレルゲンがあるのか、アレルギー検査の信憑性、食物負荷試験について、除去の仕方、各アレルゲンの特徴、紛らわしい食品表示、誤食時の対応、学校生活管理指導表などについてお話しするつもりです。
食物アレルギーにこだわり、「食物負荷試験」までやっている医師にしか話せないような内容の話をしたいと思っています。こうやってお話しする時にいつも好評なのは、自分の経験に基づいた話です。教科書の寄せ集めのような話は聞いていてつまらないと思っています。決して難しい話はしません。外来でも遠路遥々受診される方が多いので、患者さんにも理解して頂いていますし、理解してもらえなければ意味はないのです。
本来なら、栄養士さんなら小児科医よりは圧倒的に栄養学の知識はお持ちです。しかし、食物アレルギーの基礎的な知識があって初めて、栄養指導は生きてきます。栄養士さんと協力しながら、県内の子ども達の食物アレルギーを、必要最小限の除去としてQOLを上げるのが私の目標です。
正しい知識を持っていないと、半端な対応しかできないと言っても過言ではありません。市外からも研修会の依頼がありましたら飛んで行きますので、声をかけて下さい。対象は栄養士さんでも園や学校の先生でも親御さん達でも構いません。


