小児科 すこやかアレルギークリニック

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ビジョンがない
2009年08月07日 更新

先日、学校の先生から当院を紹介されたと小学校高学年の食物アレルギーのお子さんが受診されました。

実は、幼少時にぜんそく発作を繰り返しており、当時住んでいた地元の病院に通院されていました。その後引っ越して上越地方に住んでおられましたが、通えない距離ではないと以前からの病院に1~2か月に1回通院しておりました。

食物アレルギーもありますが、どちらかというとぜんそくの方が心配でした。時折、運動が契機で苦しくなる「運動誘発ぜんそく」がみられていたし、昨年秋に重い発作を起こしたそうです。とある総合病院の小児科で吸入ステロイドやその他の薬がずっと同じ量で続けられていました。

親御さんがおっしゃるには、総合病院ですから医師の異動があり、主治医が3回くらい変わったそうです。最初の主治医はぜんそくに詳しかったそうで、治療をするにもビジョンがあったそうです。つまり、これでダメなら次の治療というように治療方針がしっかりしていたというのです。

それが最近は、薬をもらいに行くだけの状況が続き、以前やってもらった「肺機能検査」もやっていなかったそうです。ただ単に薬をもらいに行くだけなら、すぐ近くの医療機関でも済む話です。

当院は食物アレルギーにも力を入れていますが、“基本は食べられるようになるまで除去を続ける”というのが方針になります。一方、ぜんそくは病状に合った治療を継続しなければ意味がありません。

今回の患者さんは、昨日の米国の患者さんのように過小治療であったと思います。吸入ステロイドも必要最小限でした。それが昨年の大発作につながったのだろうと考えています。ぜんそくは“やることをやって待つ”が基本だと思うのです。過小治療で待っても、不安定な状況を作るだけだろうと考えます。

いつも言っているように、小児科医の中でアレルギーの専門医は非常に少ないのが現実です。総合病院の先生も最初は専門医だったと思うのですが、今はアレルギー外来を任せられた先生だったと思うのです。現在の治療を続けるとぜんそくを大人に持ち越す心配が強かったので、こういう治療をした方がいいのではないかと語り続けました。こちらもより一生懸命になります。アレルギーにこだわった診療をしていて、自分の関わった患者さんを良くしない訳にはいきません。

親御さん曰く、「最初の先生にはビジョンがあったが、今の担当医にはそれが感じられなかった。」そうです。最終的には「こちら(当院)で治療をお願いします」と言って下さいました。

より適切な治療で、経過を診させて頂くことになりました。「運動誘発ぜんそく」もみられないよう、症状をコントロールして行きたいと思っています。なお、もともとは以前、卵製品でアナフィラキシーの既往があったそうで、よく話を聞くと今は改善しているようです。「食物負荷試験」も行うことにしました。

当院は毎日、アレルギーで困っている新患の患者さんが受診されます。夏休みに入って、小学校高学年、中学生、高校生の患者さんが増えました。いずれも過小治療で症状が抑え切れていないという患者さんです。他にも似たような患者さんは多いと思います。症状が大して改善されていないのに、「同じ治療を続けましょう」と言われ続けている方は、「それでいいのだろうか?」と考えて頂きたいのです。

過小治療の患者さんをなくすのも当院の役目だと思っています。ご心配な方はご相談下さい。