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ステロイド入り化粧品
2009年08月20日 更新

昨日、話題になったものにステロイド入り化粧品の話があります。

アトピー性皮膚炎に効くという触れ込みで“化粧品”を売っていた業者が逮捕されたのです。ご存知の方も多いと思います。

まだこんな業者がいたんだと思いましたが、これは「アトピービジネス」と言われるものです。ステロイドを使っていないと偽り、“化粧品”なら患者さんも抵抗なく手を出しやすいと思ったのでしょう。「ステロイドを使いたくない」と言う患者さんはまだ一部いらっしゃいますが、その心につけ込んだ詐欺行為と言ってもいいと思います。

ここで心配しているのは、何も知らない患者さんに「ステロイドって怖い薬なんだ」と思わせてしまうことです。マスコミの報道の仕方にもよると思います。

以前、アトピーでご高名な先生がある研究会で講演された時に、こんな話をされていました。ある雑誌にステロイドの是非に関して専門家の意見を求められたそうですが、出版された内容は先生の意図とは離れたように表現されたそうです。患者心理につけ込む業者が一番いけないのですが、マスコミの報道も適切に行ってもらわないと、現場が混乱してしまいかねないと思っています。

アトピー性皮膚炎の「ガイドライン」によると、ステロイド外用薬をキチンと使って皮膚の炎症を充分叩いて、薬を減量するように明記されています。私のよく言う医学的根拠に基づいた治療方針です。

今回の報道の中で、インタビューされていた日本の第一人者の先生は「化粧品なのに、“よく効く”というのはおかしいと思って欲しい」とおっしゃっていましたが、その通りだと思います。

今回のケースは初めてのことではなく、以前も「皮炎霜」という中国製の塗り薬がステロイド不使用の謳い文句で売りに出されたことがあります。いつの時代も「振り込め詐欺」のように人の弱みに付け込んだビジネス(?)があるんだと思い知らされます。

当院には、乳児から大人まで皮疹が良くならないと受診されるケースが多いです。さすがに成人のケースはほとんどがアトピーと診断されていますが、乳児の場合の適切に診断されていない方が目立ちます。

診断名を告げられずに「とりあえず塗っておいて」と医師からスピラゾンローションやボアラを他の薬を混合したものが出されるケースもあります。患者さんがステロイドが入っていると認識していないことも多いのです。

ステロイドが入っているかどうかくらいは、キチンと説明すべきでしょう。そしてなぜステロイドを使うのか、患者さんが心配している副作用についても理解を求めなければ、処方すべきではないのでは?と考えています。

患者さんが多くて時間がないというのは言い訳にはならないと思います。「患者さんが余計に心配するといけないから」という方もいるかもしれませんが、だったら尚更その辺をクリアにしてから使用させて頂くべきではないかと思います。

アトピー性皮膚炎を取り巻く医療は、「ガイドライン」の普及でだいぶ適正な方向に向けられてきていると思います。しかし、臨床の現場ではまだモヤモヤが残っている気がしてなりません。各医師がプロとして努力しなければならない部分が大きいのではないかと思っています。