以前、スピードスケートの清水宏保選手がぜんそくであることに触れたと思います。
清水選手が世界チャンピオンになったことはご存知の方も多いと思いますが、ぜんそくを治療しながらだったのです。アスリートの世界でライバルと張り合って行くために、相当ご苦労されたのだと思います。
ネットで調べてみると、巨人の中心打者の小笠原道大選手や清水エスパルスの岡崎慎司選手もぜんそくをお持ちのようです。私はサッカーはあまり詳しくないのですが、岡崎選手と言えば決定力不足と言われる日本代表の中でワールドカップでも得点を期待できるような選手です。私はぜんそくをお持ちとは知りませんでした。
ぜんそくがあると、「運動誘発ぜんそく」がついて回ると思います。運動すると苦しくなってそれ以上運動を続けることが困難になるのです。アスリートとしては致命的ともなりかねないのですが、本人の努力はもちろんですが、きっと専門医の適切な治療により「運動誘発ぜんそく」を起こしにくいレベルになっているのだろうと思っています。
先日、外来をやっていて中学生の患者さんから「今度、陸上の全国大会に行く」と言われました。
当院が開院して間もなく、アレルギー専門医と聞きつけて、他の医療機関から移ってきて下さいました。よく話を聞くと、まだぜんそくは治っておらず、治療を継続する必要がありました。その旨を親御さんに伝え、もう中学生なのでご本人にも説明しました。
お父さん、お母さんも一生懸命通院して下さいました。ぜんそくは適切な治療をすれば、症状は落ち着きます。調子のいい状態が続いていました。しかし、診察時に治療をさぼっていることが判明しました。気持ちは分からなくもありませんが、ぜんそくを治療する上で大事な時期でしたので、きつめに叱ったことがありました。
中学生の時期は反抗期でもあり、親の言うことも聞きません。私の言うことなんて聞かなくて当たり前と思いましたが、私は自分の診ているぜんそく患者さんは100%治すつもりで治療に取り組んでいます。私の思いが伝わったのか、ここ最近は真面目に治療に取り組んでくれていました。
私は彼がアスリートなのを知っていたので、日頃から陸上の練習中に息苦しくなったりしないかと受診の度に繰り返し確認していました。ぜんそくの存在が、彼の好きなこと(陸上)の足を引っ張ってしまわないようにです。
そんな中、全国大会への出場が決まったの知らせです。私はとても嬉しく思っています。まだ治療を継続しなければなりませんが、ちょっとだけ自分のやってきたことが認められたような、そして少し肩の荷が下りたような気がしました。
せっかく才能があるのですから、これからも記録を伸ばし、もっともっと活躍して欲しいと願っています。


