今回の総選挙で、自民党の時代は終わりました。
私は政治のことはあまり詳しくありませんが、4年前の郵政選挙以来、自民党が行ってきた“改革”が現在の格差社会を生み出したと言われています。当時の幹部は、日本を良くしようと思って政治に取り組んでいたのだろうと思いますが、逆の結果を導き出してしまったようです。その他にも要因はあったのでしょうが、様々な問題が逆風となって、今回一気に自民党にのしかかったのだろうと思います。
これだけの格差社会を作るに至り、戦略的にミスがあったのだろうと思いますが、それでも政治家は責任を取ることはありません。普通の会社なら大きなプロジェックトで失敗してしまえば、次のチャンスはなかなか巡って来ないのではないかと思います。ちょっと不思議に思っています。
私は医師と政治家って似ているところがあるのではないかと思っています。どちらも“先生”と呼ばれ、やり甲斐のある仕事でしょうが、それだけではありません。
いつも言っている通り、アレルギー疾患は適切に診断することが重要です。診断が間違えば、正しい治療に結びつきません。当院に来られる患者さんの多くは、ぜんそくを“風邪”や“マイコプラズマ”、アトピーを“乳児湿疹”や“乾燥肌”と正しくない診断を付けられていることが多いのです。当然、ぜんそくやアトピーには病気に沿った治療があります。診断が正しくなければ、治療が過小になり、治るものも治らないと思います。
医師は医療ミスで患者さんを死や重篤な病態に至らしめたりすると、罪に問われることがあります。しかし、ぜんそくにしてもアトピーにしても診断を間違っても、責任を問われることはありません。また、患者さんがその医師を信用して何度通って、適切に治療されずに余計に医療費を払っても返還することもありません。
患者さんにしてみれば、どの医療機関に行っても同じ正しい医療を受けられると思っていると思います。医師により専門分野は分かれており、専門的知識のある医師とない医師の間に実力の差はありますし、医療のレベルもかなり違ってきます。
専門医なら、すぐに診断がつくものを、非専門医だと検査を繰り返したり、診断がつかなくても検査料が医院に入ってきます。極論すれば、診断がつかなかったり、治らない方が医院には有利だったりします。
診断がつかない、症状が良くならなければ、専門医に紹介すべきなのですが、紹介するかどうかは医師の良心によります。なかなか紹介されないこともあります。病気に関する説明も時間がないからと不十分になされているケースも少なくありません。
医師も政治家も良心的に仕事することが大前提になっています。民主党が政権を取って、国民の生活が少しでも楽になり、安心して生活できる世の中になってくれることを期待しています。医療の世界も、個人の良心に委ねられています。専門医がこだわって親切に医療することが認められるような方向に変わって欲しいと願っています。


