先日、中越から食物アレルギーが心配だと当院を受診された患者さんがいらっしゃいました。
パイナップルを食べると、腹痛と嘔吐がみられるそうです。もしアレルギーなら、園で除去してもらう必要があり、アレルギー診断書にそう証明して欲しいのだそうです。
アレルギー検査が希望だったようですが、血液検査だけなら地元でも調べられるはずです。なぜ何十キロも離れた当院に来られたのか?。それはアレルギー検査の項目にパイナップルは含まれていないからです。地元の医療機関に聞いてみたそうですが検査できないので、当院を頼って受診されたのです。
最近は果物アレルギーのお子さんが増えています。バナナでショックを起こす赤ちゃんもいるくらいです。こういうケースは少数で、どちらかと言うと年長児が果物を食べると口の中に違和感を覚えたり、唇が腫れるような「口腔アレルギー症候群」が増加していると思います。中には病気と知らずに、当院でそう説明を受けてビックリすることもあります。
鮮度の高い果物で症状が見られやすく、ジュースや缶詰のように加工してあると症状は出にくいとされています。検査は確かにパイナップルはアレルギー検査の項目に入っていませんが、できるのです。やり方はパイナップルそのものを用いて、小針で果肉をつつき針先にパイナップルの果汁をつけ、それで皮膚に小傷を付ければいいのです。もしアレルギーがあれば、その部分が腫れてアレルギーがあると強く疑えるのです。
患者さんには診察途中にジャスコにパイナップルを買いに行って頂きました。検査は陰性でした。アレルギーでない可能性が高まった訳です。あとは「食物負荷試験」のように実際に食べさせてみて、シロクロと付けた方がよいと思っています。
親御さんもアレルギーかどうか判断がつかない状況でしたので、60キロくらいの距離を遥々と受診して下さった訳ですが、たった1回の受診である程度の方向性は示すことができたのではないかと思っています。
私は特に専門以外の分野で分からなければ、その道の専門医に相談したり、紹介したりしてなるべくベストの医療が受けられるように配慮しているつもりです。アレルギーかどうかの相談を受けて、パイナップルのアレルギー検査ができないのなら、どこに行けば専門的な判断ができるかを患者さんに提示するくらいの親切さがあっても良かったのではないかと思っています。
特に開業医は設備も病院に比べればプアーで、精査するにもできないことが多いのではないかと思っています。「できない」、「分からない」なら、「ではどうしたらいいか?」を示すのが親切な医療だと思っています。


