普段から食物アレルギーの話を多くしていますが、最も多く診ているのは子どものぜんそくです。
もともと子どもの7%くらいにぜんそくがあると言われています。食物アレルギーも低年齢時はそれくらいの頻度がありますが、成長とともに減ってきます。ぜんそくの方が治りが遅いので、患者数としては多くなるのです。
秋は、ぜんそく発作を起こしやすいと言われています。よく突然ゼーゼー言って夜間に救急外来を受診したとか、小児科に点滴に通ったという話を聞きますが、そのかなりを減らすことは可能だと思います。ぜんそくの特徴を理解していれば、「この子は丁寧にいかないと、発作を起こすだろうな」というのが分かります。そういうお子さんをピックアップして治療をすればいいのです。
ある小児科でぜんそくで診てもらっていたお子さんが、当院に移ってこられました。すぐ発作を起こし、お子さんも夜間に眠れなくなり、と同時にお母さんも寝不足になります。ぜんそくの調子が悪いと明らかに家族の生活の質(QOL)を低下させます。
結構重症な患者さんでしたが、いかんせん治療がその患者さんの症状に合っていませんでした。つまり、重い子に軽い症状の治療をしても症状は抑えられません。この子に限らず、そういう子をよく診ます。
日頃、咳が止まらずに当院を受診される患者さんの治療をみていると、いろんな医師がいろんな治療をしています。ぜんそくと診断されずに“マイコプラズマ”と繰り返し診断されている場合もあります。“マイコプラズマ”と診断されている限りは、良くなるはずもなく、“マイコプラズマ”の点滴で良くならないのです。途中で当院に移ってこられるので、そういうことを繰り返していることに気付いていないのかもしれません。
先の患者さんの場合、治療を強化したら症状はピタリと治まりました。予防の必要があるので、定期的に薬をもらいに来ており、発作で予定外に受診されることはまずありません。お母さんも夜に安心して寝ていられるのです。
医師は、口が上手いだけではダメです。実力は、結果で示さなければなりません。つまり、親御さんにはお子さんの症状をキチンと出ないようにさせなければなりません。
発作を繰り返す場合は、治療を見直す必要があります。見直してもらえなければ、敢えて言いますが医者を代えるしかないと思います。ぜんそく治療は奥が深く、私も研修に行って初めて知りました。“深さ”がないと適切な治療ができないと思います。
その患者さんのお母さんの話では、通っている保育園ではぜんそくの欠席が最近多いのだそうです。今まではそのお子さんの方が発作を起こしやすく、欠席が多かったのです。今は咳も出ずに、元気に保育園に通っていますので、立場が逆転してしまったようです。
となると心配になるのは、いま欠席しているお子さんが適切な、重症度に合った治療をされているのかということです。そんな話を聞くと、「そういったお子さん程、専門医にかかればいいのに」と思います。まだ上越では「小児科ならどこでも同じようなもの」と考える親御さんが少なくないようです。
朝夕と吸入、毎日点滴に通うような治療は私のよく言うぜんそく治療の「ガイドライン」には記載されていません。我流の治療をしている医師は存在します。私は数々のアレルギーに関するガイドラインを作った恩師の元で働かせて頂いた者として、まずは上越に「ガイドライン」を普及させる義務があると思っています。
私も伊達に専門病院で研修を受けてきた訳ではないので、この秋発作を起こしやすく、園や学校を休みがちのお子さんは早く相談して欲しいと思っています。多分治療不足だと思うので、生活の質を上げることは可能だと思っています。


