27日の新聞にも新型インフルエンザのワクチンのスケジュールがデカデカと載っていたようですね。
診察室でよく話題に上るのですが、「11月に入ったらあっさりとうちの子は受けられる」とお考えの親御さんは多いのです。相変わらず、何日に何人分が納入されるという情報は入ってきていません。ワクチンの供給不足にもかかわらず、さんざん煽っておいて、現場が混乱するのは必至ですが、誰がどう責任を取るのでしょうか?。
今年のインフルエンザワクチンを取り巻く環境は、異常です。新型ワクチンについてはここ最近書いているように、既に混乱しています。今年の特徴は、季節性と新型の2種類あり、子どもは計4回接種受けなければならないし、ワクチンメーカーが新型ワクチンの製造をするために季節性ワクチンが例年の7~8割しか市場に出ないため、2~3割の人が受けられない状況になっています。
国策で新型インフルエンザをワクチンで予防しようとしているため、季節性ワクチンの対する関心も半端でなく、近くの病院では電話受付はせず、窓口に来られた人のみを対象にしたにもかかわらず、半日で予約が完了したなんて話もあるくらいです。
当院でも、季節性インフルエンザだけでも対応がスムーズにいかず、患者さん方にはご迷惑を掛けっぱなしではなかったかと思います。申し訳なく思っています。
当院は、アレルギー疾患を専門的に診ているため、開院して2年経ち、かかりつけの患者さんが確実に増えています。昨年よりも本来当院で接種すべき患者さんは多かったにもかかわらず、昨年、業者に注文したワクチン数の実績の7~8割しか当院には分配されませんでした。と言うことは、普通の医院なら単純に2~3割減のところ、当院の場合はそれ以上に不足していたことになります。
今年はワクチン不足を考え、小児科では「大人は打たない」、内科では「子どもは遠慮してもらう」なんてドライな施設が多かったのですが、当院はそこまでノウハウがありませんでした。ワクチン不足を考えると、他と同様にしておけば、少しは予約締め切り後に断っていたのを減らすことができたのかもしれません。
当院でも季節性のワクチンの予約を始めたところ、あっという間に予約枠が埋まってしまいました。一番ご迷惑をお掛けしたのが、卵アレルギーでインフルエンザのワクチンを打つのが心配とおっしゃる方の接種を引き受けられなかったことです。これが一番反省すべき点です。
ただ、他の施設で「接種できるかどうか」と聞かれた場合、私も確実に打てる時は「大丈夫です」とお答えしていました。当院の場合、アレルギー体質の強いお子さんへの接種は日頃からしており、ノウハウは他の施設よりも持っているつもりです。しかし、乳児で卵を食べたことのないケースだと「多分大丈夫だろうな」と思っても、「絶対に大丈夫です」とは言い切れませんでした。私も心配な場合は、皮内テストを行って安全にできるかどうか確認していました。周囲の医療機関にもご迷惑をお掛けしたと思っております。
以前、他の医療機関で「気管が弱い」といわれ、薬が出されていましたが、不安に思った親御さんが当院を受診されました。これまでの状況をよく伺うと、喘息と診断され、しかもぜんそく薬を継続しなければならない状態でした。その辺りをキチンと説明したら「今後はここで診てもらいたい」というご希望を頂き、それ以降当院で治療を行っていました。
季節性のワクチンをご希望でしたが、当院の予約が埋まってしまっていたので、以前かかっていた医療機関で予約できたそうです。1回目は普通に接種してもらえたそうですが、2回目の接種を受けようとしたら、「今かかっている所から、接種証明書を書いてもらうように」と言われたそうです。「接種証明書って新型だけじゃないんですか?」って思いました。各医院には方針というものがあるのでしょうが、医師ならぜんそく治療中でも症状が安定していたら、接種が可能なのは誰でも分かるはずです。しかも1回目は何も言わず、2回目から必要なんて疑問に思ってしまいました。
繰り返しになりますが、当院かかりつけの患者さんには、接種を受けられず、他の医療機関に回って頂いたりして申し訳なく思っています。当院でも連日季節性のワクチン接種を行っていますが、その中で、もしかしたら若干の余裕が出てきそうな状況になってきました。「何で早く言ってくれないの?」とお叱りを受けそうですが、最近になって判明してきたことなのです。
当院かかりつけで、今年は打てずにあきらめムードの親御さんもいらっしゃると思います。遅ればせながら、そういう患者さんの救いになればと思っています。ただし、まだ予約は開始しません。これから入荷する季節性のワクチンが確実にいつ入るということを確認してから、始めたいと思っています。昨日の話のように“根拠”のないことはやるつもりはありません。予約再開の案内もこのホームページと院内掲示で行うつもりです。いましばらくお待ちください。慢性疾患を多く診ている当院の性格上、ワクチンが限られているため、申し訳ありませんが、子ども限定でお願いしたいと思っています。
何の“根拠”もなく、こっそりと新型のワクチンを1ヶ月以上も前から予約している医院があると言いました。全国のどの医療機関でもこの時期からの予約開始はなかったと思います。反面教師と言っていいでしょうが、親切にワクチンを患者さんに勧めておいて、実は下心もあるなんて思われたくないので、これまで当院は誰一人として私の方から予防接種は勧めていませんでした。
普段、ぜんそくのお子さんを大勢診ていると季節性のインフルエンザにかかって、ぜんそくが悪化するケースは少なくないことも分かっています。来年以降のインフルエンザのワクチンの状況がどうなるかは分かりませんが、もう少し私の方から勧めていこうと思っています。先程も述べた通り、ワクチン数が限られた場合、昨年の実績で決められては、当院の配分が少なくなり明らかに不利になります。また、新型ワクチンがどのように配分されるのか分かりませんが、小児科医の間ではやはり例年の実績で分けるのが公平、という意見も出ています。その方法が選択されると、やはり当院にはかなり不利に働きます。
上越には子どものアレルギー専門医が私しかいないため、当院のかかりつけの患者さんは年々増加していくと思っています。慢性疾患を持つ子にはインフルエンザのワクチンを打たせるべきという考えが今年で広く浸透したと思いますので、今後当院の患者さんを守るためには、ワクチンの“実績”を上げなければならないようです。来年の話をするのは変ですが、今年かかりつけの患者さんにご迷惑をお掛けした反省を胸に来年以降につなげていこうと考えています。
当院はまだ開院して2年余りであり、医療は一生懸命やっているつもりですが、ワクチンなど戦略的(?)ノウハウが不足している部分もあるのではないかと思っています。患者さんでご意見、ご要望があれば伺います。当院ホームページのトップの一番下の「お問い合わせ」からメールを頂ければ参考にさせて頂きます。
小児医療はビジネスではなく、未来を担う子どものためですから、それをモットーにより良い医院を作っていきたいと考えています。


