昨日も書きましたが、待ちに待った新型ワクチンが11月上旬に当院に配分されることになりました。
県知事が「11月2日から妊婦と基礎疾患のある患者に接種を開始するのでかかりつけ医で予約をしてください」なんて言っていましたが、29日の夕方のニュースでも新型ワクチンの対応の遅れの話題が取り上げられていたようです。ワクチンの数が絶対的に不足していることと、当初はごく一部の人しか接種できないことを明らかにしていました。行政と現場の医師たちの認識が大幅に異なることが露呈されたと思います。
となると、貴重なワクチンをどのように接種していくかを考えなければなりません。
私は専門施設でぜんそくの医療を学ばせて頂きました。ぜんそくにはこだわりを持っています。毎日のようにぜんそくをぜんそくと診断されずに、困り果てた子ども達が当院を受診されています。新潟県のぜんそく医療はとても貧弱です。ゼーゼーしても“風邪”なんて診断されていて、かなり重症化しているケースもあります。「アレルギー科」の看板を掲げる小児科にかかっているにもかかわらずです。
専門的知識を持っている私の責任は大きいと感じています。当院にかかって以降は「絶対にゼーゼーなんて言わせないぞ」という気持ちで診療しています。ぜんそくを専門的に診ていると、どの子が発作を起こしやすいか分かります。いずれは新型ワクチンは充分に供給されるようになるはずですが、現時点では限られた貴重なものです。当院に配分されたワクチンの使い方は、私に一任して欲しいと思います。その代わり、大抵の親御さんが認めてくださるような筋の通ったものにしたいと思います。
私の考えは、昨日書いたものが基本です。今回は重症で低年齢のお子さんを最優先と考えていますので、自ずとメンバーが決まってきてしまいます。今回は当院から指名という形になるかもしれないと考えています。
なお、先日の当院へのワクチンの本数を知らせるファックスを頂いた時に、過不足があれば保健所へ連絡して欲しいという記載があったため、連絡をしました。もちろん不足している旨を伝えるためです。
基礎疾患を持つお子さんを優先するというのは国策です。私も自分を頼ってくださる患者さんを守らなければなりません。12月14日から1歳以上の子どもの接種も始まるそうですが、ぜんそくのお子さんはそれよりは早く接種してあげるべきだと考えています。どの医院も「もっと欲しい」と思っています。それでは何も解決しないので、当院では重症ぜんそく患者さんが多いため、当初は多めに配分してもらい、その後は少し少なくなっても構わない、というお願いをしました。希望通りになるか分かりませんが、上に話を通して下さるそうです。
ふと考えると、国内に新型ワクチンを持ち込まないようにと、空港で機内検疫が行われたことが懐かしく感じられます。上越以外では、本格的に流行しているようです。当院ではそんなに多くの新型インフルエンザを診ている訳ではないですが、県内の小児科医の間では、新型インフルエンザと言ってもさほど重症感もなく治ってしまう子ども達が多いと言われています。
油断してはいけないですが、必要以上にヒートアップしている部分もあるのかもしれません。便乗するかのように、ずいぶん前からこっそり新型ワクチンの予約を取っているいる医院があるそうですが、患者さんも医師のポリシーを見極めて欲しいと思っています。医師は、誠意と責任を持った医療を行うことが求められていると思っています。
正直言って、自分でもワクチンでこんなに考え、どう対応していくかで悩まされるとは思ってもみませんでした。自分を頼ってくれる患者さんを守るためには、もっと悩まなければならないのだろうと思っています。


