小児科 すこやかアレルギークリニック

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新型インフルエンザの印象
2009年11月28日 更新

当院は、かかりつけの子ども達のほとんどがアレルギー体質があります。

咳が長引く、皮膚がかゆいのと軽症だと見逃されて治療に通っても良くならずに、当院を受診されるケースがほとんどです。いつも言っている通り、診断が正しくない限りは治療はしても改善するはずもありません。当院にかかって、あっという間に症状が軽快すると、距離が遠くてもそのまま通院して下さいます。

新型インフルエンザが上越地方でも流行してきました。学級閉鎖も拡大してきていますが、インフルエンザで受診されるのはかかりつけのお子さんがほとんどです。当院は上越では新参者ですから、アレルギーのないお子さんがインフルエンザにかかったかなと思ったら、これまでかかったことのある小児科や内科を受診されるのだと思います。小児科医としては、やや寂しい限りですが、それは医院の歴史も浅いので仕方のないことだと思っています。

基礎疾患のあるお子さんは、新型インフルエンザにかかると重症化すると言われています。当院の場合は、インフルエンザを疑われて受診される子ども達がぜんそくを持っていることが多いので、私の抱いている新型インフルエンザの印象を書いてみたいと思います。

まず、例年の季節性のインフルエンザよりは重症感がやや少ない、ということです。もちろん普通の風邪にかかるよりは、元気もなくなりますが、グッタリ感も少ないようです。38~39度台の発熱がみられますが、咳や鼻汁も少ないように思います。年長児は頭痛も訴えますが、関節痛は少ない印象です。

検査に関しても、季節性インフルエンザと同じように発熱して間もないと検査しても陰性のことが多いのです。ただ、熱が出てじきに陽性になる子もいます。

こんなケースもありました。周囲でインフルエンザが流行し始めている状況下で、熱が出て当日は調べて陰性で、翌日に再検査しても陰性で「今回はインフルエンザじゃなかったんだろうね」と言っていたら、どこにも連れて行っていなかった赤ちゃんの兄弟が発熱し、調べたらインフルエンザだったこともありました。推測するに、上の子がたまたま検査が2回とも陰性だったのだと考えています。こんなことも起こり得ます。

治療に関しては、圧倒的にタミフルやリレンザが効くということです。タミフルについては10代に使用すると異常行動との関連を懸念されていますが、その場合はリレンザを選択しています。翌日には解熱することが多いと思います。中には、3日や4日熱の続くお子さんもいます。

ぜんそくを持っていると、ぜんそく発作が誘発されることもありますが、当院に通院している方は発作のでない子が多いように思います。発熱とともに咳がやや悪化する子もいますし、解熱後に咳が増える子もいます。しかし、ぜんそくの治療としての吸入や点滴が必要になるお子さんは今のところほとんどいません。

新型インフルエンザを契機にぜんそく症状が悪化しても、熱がさほど長引かないことが多いので、軽く発作が出てもじきに症状はなくなってしまいます。ほとんどの親御さんは「新型と診断されてどんなに悪化するかと心配したけれど、軽く済んでよかった」とおっしゃっています。

新型インフルエンザにかかって、ぜんそくが悪化するお子さんは、過小治療である可能性もあると思います。治療を見直すきっかけになると思います。インフルエンザに罹患し、咳が悪化したお子さんの親御さんに過去の状況を聞いてみると、以前はゼーゼーを繰り返しており、その都度“風邪”や“気管支炎”と診断されていたと言われることがあります。つまり、ぜんそくが見逃されていた訳です。アレルギー専門医でなければ難しいと思いますが、まだぜんそくが治っていないことが明らかになるのです。

先日も、市外からアトピー性皮膚炎で受診した小学生が咳が長引くという話があったので、当院で「肺機能検査」をやってみたら、症状が時々みられているだけでしたが、かなり重いぜんそくが残っていることが判明しました。これは専門的な知識を持たない小児科医に判断は困難でしょう。継続治療が必要と判断し、治療を始めさせて頂きました。

ぜんそくは、小児科医が説明しているほど治らないと思います。「咳」や「喘鳴」を甘く考えている医師が少なくないので、当然の結果として認識不足の親御さんもかなり多いのが現実です。小学生や中学生が新型にかかって咳が長引く場合は、当院に相談して欲しいと思っています。