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「インフルエンザの方がマシ」
2009年12月01日 更新

患者さんは正しい医療を受ける権利があります。

ここ最近は、ほとんどの親御さんが熱が出ると新型インフルエンザを心配されます。インフルエンザの検査をして反応が出ないと「あー、良かった」という方がほとんどです。滅多に起きないことだと思いますが、新型インフルエンザ=脳症という発想があるようで、素人である親御さんが「良かった」と思うことは致し方ないと思います。

でも「プロ」はそれではいけません。「じゃあ、この熱は何が原因なんだ?」と考えなければならないと思うのです。

隣のクラスにインフルエンザがいると聞くと、検査が陰性でも「インフルエンザの可能性があるから、タミフルを出しておきましょう」という小児科医もいることでしょう。検査をするタイミングが早くて検査が陰性だったのかもしれないけれど、別の感染症は考えなくていいのでしょうか?。

新型の流行が拡大してくると、他の感染症を新型インフルエンザとオーバーに診断されている可能性を心配しているのです。とにかく親御さんや医師の目が新型インフルエンザに向き過ぎていることを心配しています。

実は上越では、いまだに手足口病やヘルパンギーナもいるし、溶連菌の患者さんもいます。しかし、一番注意して欲しいのはRSウィルスです。RSウィルスは熱が出るし、咳も鼻も出ます。インフルエンザと区別がつきにくい症状が出ます。「インフルエンザが出ないから、風邪だろう」という小児科医もいるでしょうが、レベルの高いとはいえない対応と言わざるを得ません。原因究明をするのが小児科医の役割だからです。

インフルエンザを調べて陰性だった場合や熱が続く場合は、RSウィルスが原因である可能性はかなり高いと思っています。当院は1日当たり何回もRSウィルスかどうかを調べていますが、かなりの確率で陽性に出ます。つまり、上越地方ではRSウィルスがかなり流行しているのです。先日も触れましたが、その後も確実に流行しています。

当院にかかっているぜんそくのお子さんが熱が続き、咳もかなり出ていたため、RSウィルスを調べたら陽性に出ました。熱は5日続き、咳き込んで夜もあまり眠れなかったそうです。インフルエンザならタミフルを使えば、まず5日も熱が続くことはないでしょう。実際、当院に新型でかかる患者さんの大多数は2日ほどで解熱しています。

「インフルエンザの方がマシ」という言葉は、先のRSウィルスにかかったお子さんのお母さんがおっしゃった言葉です。ご存知ない親御さんは「そんなことはないでしょう」と思うと思います。しかし、ある意味本当です。RSウィルスはタミフルのような特効薬がないため、とても厄介なウィルスなのです。それを如実に表した言葉だと思っています。当院でもここ最近は、RSウィルスにより高熱が続くと外来での治療に限界を感じ、病院に依頼し入院治療をして頂いたお子さんが何人もいます。

いつも言っている通り、開業医はRSウィルスを調べないことが多いのです。それは検査代が損になってしまうからです。医師の都合でお子さんの病気が見出されないのだとしたら、この現実をどう思われますか?。RSウィルスを調べられずに“風邪”と診断されて、点滴を繰り返させている子どもが少ないのではないかと案じています。

昨日の季節性インフルエンザのワクチンの価格のように、当院は良心的な医療を心がけているつもりです。世の中には、お金の関わる医療を好んで行い、損になることはしようとしない医師もいます。私の考えでは、RSウィルスを調べようとしない小児科医は損得ばかり考えている人なんだろうなと思っています。

同じようなことを書いているとお思いかもしれませんが、RSウィルスは赤ちゃんの時にかかった後もゼーゼーを繰り返します。何年もゼーゼーで悩まされるお子さんも少なくありません。認知度が低いのは小児科医の責任でもある訳ですが、アレルギーや呼吸器にこだわる小児科医としては、是が非でも上越の地に「RSウィルスという注意すべきウィルスがある」ことを広く知って頂く努力をしなければならないと思っています。今後も繰り返し警鐘を鳴らしていきたいと思っています。

最近は医院のホームページを持つ小児科医も多く、巷で流行している感染症が書かれていると親御さんもとても参考になると思います。他の地域は分かりませんが、少なくとも上越ではRSウィルスが流行中です。直江津方面に多い印象があります。RSウィスルのことが書かれていれば、真面目で患者さんのために一生懸命な小児科医なんだろうと思います。親御さんや園の先生方はこの辺に着目してみるのも、良心的な医療をしているかどうかを計るバロメーターになると考えています。